天使なのに、なぜか甘やかされています。

 そして階段を駆け上がり、屋上階段にいつもと変わらず隣同士で座ると、
 お互いに作ってきたコロッケ弁当のコロッケを1個交換し合って食べる。

「今日は夏だって思えないくらい涼しいな」

「はい……くしゅんっ」

 そう答え、くしゃみをすると、
世河(せがわ)くんが自分のカーディガンを脱いでわたしの両肩にかけてくれた。

「え、世河(せがわ)くん!?」

「帰りに返してくれればいいから今は着ておけ」

 やばい。
 嬉しくて顔が熱い。

「わ、分かりました」
「このまま世河(せがわ)くんのコロッケ、噛み締めて食べます」
「昼休みにこの場所で世河(せがわ)くんと食べられるの、今日までなので」

「はー、しばらく一緒に昼飯食えないとかねぇわ」
「夏休み、遊びに誘うから」

「はい、楽しみにしてます」