天使なのに、なぜか甘やかされています。

わたしは右肩に掛かった鞄の紐をぎゅっと握る。

早く返してもらえるように役に立たなきゃ。
でもどうしたら……。

と、とにかく挨拶しよう。

わたしは電車が走行している中、車内を歩いていく。

世河(せがわ)くん、おはよ……」

ガコンッ!
急に電車が揺れ、わたしは体制を崩す。