天使なのに、なぜか甘やかされています。

「かっこいいですね!」
「もしかして芸能人!? キャア!?」
「私達と写メ撮ってくれませんか!?」

 誘ってはしゃぐ女子達の姿に世河(せがわ)くんは面倒そうに息を吐く。

「悪いけど今、それどころじゃないんで」

「そこをどうか一枚だけ! お願いします!!」

 女子達、すごい圧……。

 世河《せがわ》くんは、その圧に屈せずに断りの強張った冷たい表情を向け、
 女子達はびくつき、去っていく。

 そんな中、わたしはふと自分の右肩を見る。