天使なのに、なぜか甘やかされています。

「俺が観覧車選ぶなんて意外って顔、してるな」

「えっ、そっ、そんなことは!」

「俺、高いところ、好きなんだよな」
「お前は?」

「わたしも好きです」

 …………って、
 なんだか、これ、告白しているみたい。

「だよな、天使だもんな」

 天使…………。

「あの、世河(せがわ)くんは天使なわたしをどう思いますか?」
 わたしは不安げに尋ねる。

「お前は? どう思ってんの?」

「わたしは、天使じゃなかったらって、いつも……」

 そう答えて、ハッとする。

 あ、わたし、また自虐して……。
 世河(せがわ)くんに楽しんでもらうつもりが、
 逆にせっかくのいい雰囲気、壊しちゃった……。

 観覧車が静かに回り、上昇していく。
 そんな中、世河(せがわ)くんが口を開いた。