天使なのに、なぜか甘やかされています。



 ――30分後。
 わたし達は駐車場に到着したシャトルバスから降りて歩き、
 大きく華やかな門からテンランドに入場した。

世河(せがわ)くん、見て!」
「フックや棚にカチューシャと帽子がいっぱい!」

白鳥(しらとり)、天使オーラ押さえろ。眩しい」

「あ、ごめんなさい」

 謝ると、世河(せがわ)くんは、ふっ、と笑う。

「俺、今から白鳥(しらとり)の選ぶから」
白鳥(しらとり)は俺の選んで」

「うん」

 短く返事をすると、
 フックや棚のカチューシャと帽子を見ていく。

 そして、世河(せがわ)くんはわたしに両羽根付きのハットを、
 わたしは世河(せがわ)くんに両羽根付きのキャップを選んで買い、
 お互いに被って歩き出す。

 嬉しいけど、なんだか、恥ずかしい。

 そう思いつつ歩いていると、テンデレラ城が見え、右に曲がる。