天使なのに、なぜか甘やかされています。



 ――――放課後。

 駅近くのバス停前で、
 お洒落なワンピを着たわたしの両耳に世河(せがわ)くんがシルバーのイヤリングを挟む。


「これ、誕生日プレゼント」
「ほら、行くぞ、白鳥(しらとり)


 ネックレスを付け、
 白いTシャツの上に黒いテーラーカラーの半袖ジャケットを着た世河(せがわ)くんはそう言って、右手を差し出す。

 わたしはその手を掴む。

 そして、シンデレラの馬車のような綺麗な色のシャトルバスに2人で乗り込んだ。