天使なのに、なぜか甘やかされています。

 その後、世河(せがわ)くんとゆっくり浜辺を歩いて戻ると、
 ひかりちゃん達に心配されたものの、線香花火をやることになり、
 なぜかひかりちゃん達と少し離れた場所で世河(せがわ)くんとしゃがみながら線香花火をすることになった。

 好きな人と2人きりな上に、
 儚げに美しく咲く線香花火が、
 余計に緊張させる。

「せ、世河(せがわ)くん、線香花火綺麗だね」

「そうだな」

 世河(せがわ)くんが線香花火じゃなくて、わたしの顔を見て言うから、
 なんだか自分が綺麗だって言われているみたいで恥ずかしい。

世河(せがわ)くん、ほら、線香花火見て」

「お前の方がよっぽど見てられるな」

「どうして?」