「よーし、次は線香花火だな」
「って、菜月から電話だ」
「そう。なら電話に出ろよ」
「線香花火は俺が取ってくるわ」
世河くんはそう言って、少し離れた場所に置いてある線香花火を取りに行く。
するとわたしは両足のつま先に違和感を感じた。
星谷くんは菜月ちゃんとスマホで電話中。
ひかりちゃんと清丘くんはふたりで楽しそうに話してていい雰囲気。
今しかない。
わたしは一人で浜辺を歩いて行く。
そして少し離れたところで黒いローファーと靴下を脱いでみる。
あ、両方のつま先から足首まで薄くなってる。
高校復帰してから初めて。
世河くん達とまた関わってるから?
世河くん達には黙っていたけど、
担任の霞堂先生に6月末にお父さんから聞いた転校の件で昼休みに呼び出されて、
希望する何校かに転校できる枠があるかどうか聞いているがまだ見つからないから、もう少し待ってほしい、と言われた。
正直、高校に復帰してから楽しいことが続いていて、
転校のことなんてすっかり忘れてた。
だけど、
世河くんといられる時間はもうそんなにないんだ。
とにかく治るまで散歩していよう。
わたしは靴下とローファーを履いて再び歩き出す。
「って、菜月から電話だ」
「そう。なら電話に出ろよ」
「線香花火は俺が取ってくるわ」
世河くんはそう言って、少し離れた場所に置いてある線香花火を取りに行く。
するとわたしは両足のつま先に違和感を感じた。
星谷くんは菜月ちゃんとスマホで電話中。
ひかりちゃんと清丘くんはふたりで楽しそうに話してていい雰囲気。
今しかない。
わたしは一人で浜辺を歩いて行く。
そして少し離れたところで黒いローファーと靴下を脱いでみる。
あ、両方のつま先から足首まで薄くなってる。
高校復帰してから初めて。
世河くん達とまた関わってるから?
世河くん達には黙っていたけど、
担任の霞堂先生に6月末にお父さんから聞いた転校の件で昼休みに呼び出されて、
希望する何校かに転校できる枠があるかどうか聞いているがまだ見つからないから、もう少し待ってほしい、と言われた。
正直、高校に復帰してから楽しいことが続いていて、
転校のことなんてすっかり忘れてた。
だけど、
世河くんといられる時間はもうそんなにないんだ。
とにかく治るまで散歩していよう。
わたしは靴下とローファーを履いて再び歩き出す。



