天使なのに、なぜか甘やかされています。



シャッ!
翌日の早朝。わたしは部屋のベランダのカーテンを開ける。

今日も高校行っても一人ぼっちで、
誰の役にも立てず、
帰りにはまた靴隠されて探してるんだろうな。

そんな気持ちに(さいな)まれ、
なかなか布団から出られなくて、
毎朝起きるのが面倒だった。

だけど、今日は、
早く目が覚めて、スッと起きられた。

信じられない……。
扉に薄らと映る地味な自分もキラキラと光輝いてる……。

わたしは開けたカーテンをリボンで留め、
そのまま右手が動き、ガチャ、と鍵を外し――、

ガラッ。
嬉しさの余り思わず、扉を開けてベランダに勢いよく飛び出す。