天使なのに、なぜか甘やかされています。



「あ、またローファー消えてる」

毎日放課後に靴隠しにあう、そんなわたしは、白鳥羽美(しらとりうみ)、16歳。 
天籠(あまかご)高校に入学して2週間、
相変わらず今日も、いじめられ、一人ぼっちの地味な“天使”です。

代々天使の血を受け継ぐ家で育って、
上級天使のお義母(かあ)さまと2つ上の(いばら)(お義姉(ねえ)さま)にいじめられていた日々を送ってきたから慣れてるけど……。

わたしは下駄箱の扉を閉めて鍵をかける。

「いつもこうやって鍵、かけてるんだけどな……」
「とにかく、ローファー、探そう」

そう思い、教室等色々探した。
だけど見つからず、わたしは屋上階段で塞ぎ込む。

いつもなら割とすぐ見つかるのに……。