天使なのに、なぜか甘やかされています。

『なんだ、割と元気そうじゃねぇか』
『お前の羽根、高校で一瞬、薄くなって、もしかしたら消えるんじゃねぇかと思って来たのにな』

 スマホから聞こえてくる世河(せがわ)くんの安堵した声。

 世河(せがわ)くん、鋭いな。
 ベランダから見えない部分はまだ薄くなったまま。
 ちゃんと見せられるのは肩から上とスマホを持った右手だけ。


「体調が悪いと羽根、薄くなったりするんです」


 ほんとは体も薄くなるんだけど、
 これが今のわたしが言える限界。