天使なのに、なぜか甘やかされています。

「コラー!」
「そこで何を叫んでる!?」
 与風(よかぜ)先生の叫び声が聞こえた。

「やばいな」
 千煌(ちあき)はひかりの元まで走り、
 ひかりの左腕を掴む。

「ちょ、千煌(ちあき)!?」

 千煌(ちあき)はひかりを連れて駆け出す。
 ふたりの髪が後ろに(なび)く。

「ひかり、顔真っ赤」

「もうっ! 誰のせいだと思ってるの!?」
 ひかりは恥ずかしげに怒る。

「はは」

「笑い事じゃない!」
「中庭で叫ぶなんて何考えてんの!?」
千煌(ちあき)らしくないじゃん!!」

「うん、(なお)っぽかったよな」
「つい、爆発してしまった」

 千煌(ちあき)はそう言って、少し照れる。