天使なのに、なぜか甘やかされています。

(ひじり)は告白を聞き、
 制服を掴んでいた、ひかりの手を払う。

 ひかりが固まると、(ひじり)は振り返る。
 するとひかりは(ひじり)の胸をぽか、と叩いた。

「手、振り払ったんなら、そのまま行けばいいじゃん!」
「なんで振り返るの!? バカぁ!」

 ひかりは胸をぽかぽか叩き続ける。

「中1の時、(ひじり)に話かけて、夜遊び覚えて毎日が楽しくて」

「高校に上がってからは一緒にバイトしたり2人で帰れたり」
「ここ最近はよく私と2人でいてくれて、この中庭でお昼ご飯食べれたりして、私、嬉しかった!」

「でも(ひじり)にとってはそれぜんぶ迷惑でしかなくて」

 ひかりは拳を振り上げ、胸をぽか、と強めに叩く。


(ひじり)が振り返らずに行ってくれてたら、それぜんぶ消せたのに!!!!!」


「勝手に消すなよ!」

 (ひじり)が怒り混じりな声で叫ぶと、ひかりは胸を叩くのを止める。