天使なのに、なぜか甘やかされています。

 ひかりは少しの間固まるも追いかけ、後ろから制服の裾をぎゅっと掴む。

「ずるい、ずるいよ(ひじり)
「そんなふうに言われたら、止めるしかないじゃん!」

「放せよ」

「放せないの分かってて言ってるでしょ」
「ほんとうにずるい!」
「ずるい、けど、嫌いになんかなれないよ……」

 ひかりは大粒の涙を零す。
 するとひかりの鞄が右肩からずり落ちる。