天使なのに、なぜか甘やかされています。

治すチャンスをくれた。

 涙がまた零れそうになり、わたしはサッと右手で涙を拭く。

「わかりました」
「少しだけ左手、お借りします」  

 わたしは世河(せがわ)くんの左手を取り、軽く握る。

 男の子の手、はじめて触った。

 胸が、
 ドキドキする。

 と、とにかく集中しなきゃ。

 わたしは両目を瞑る。
 すると、ぱあっ。
 一瞬、左手が光輝いた。

 恐る恐る両目を開けると、
 世河(せがわ)くんが微笑みかける。