天使なのに、なぜか甘やかされています。



「……高校休んでもう5日か」
 朝、わたしはベットに起き上がったまま小さく呟く。

 泣き疲れた……。
 雨の音すら聞き飽きちゃった……。

 なんだか、部屋に閉じ込められているみたい。

 もう高校には行けないのかな……。

 薄くなった体を隠した布団をぎゅっと抱き締め、
 両目を瞑る。

「邪魔でもいいから、世河(せがわ)くんに会いたい」