天使なのに、なぜか甘やかされています。


羽美(うみ)、今の内に家に帰って来なさい』

 お父さんの言葉に、
 わたしは両目を見開いて固まった。

『転校のことはこちらから伝えて、手続きをするから』

 ちょっと待って。
 家に帰るのを進めるだけじゃなくて、転校の手続き?

「わたし……家に帰る気も転校する気もない」
「友達とこれからもいる」

『消えたらその友達とも2度と会えなくなるんだぞ!?』
『それでいいのか!?』
 お父さんが怒鳴り声を上げる。

「いやだ……」

『じゃあ、家に帰るということでいいな?』

「っ……」