天使なのに、なぜか甘やかされています。

「左手、少し腫れて……」

「ただの打撲傷だし、すぐ治る」  

「怪我させてごめんなさい!」
 わたしは謝り、深く頭を下げる。

「この高校には人の役に立ちたいと思って入学したのに」
「役に立つどころか、逆に救われてこんな怪我までさせて……」
「ほんとうに……下級のダメ天使です……」

「自虐はいいから、頭、上げろよ」

 わたしは言われた通り、頭を上げる。

「なぁ、天使って打撲傷治せんの?」

「あ、はい」
「でも普段は天使の力は使いませんが……」

「そう、なら」