天使なのに、なぜか甘やかされています。



 世河(せがわ)くんにお姫様抱っこされたまま、体育館を出て、
 やがて保健室前に着くと、扉に張り紙が貼ってあった。

 その張り紙には、
『生徒を病院に連れていくことになったので、戻るまで処置は各自でお願いしますね☆ 糸桜(いとざくら)
 と書かれている。

「はー、マジか」
 世河(せがわ)くんは面倒そうに言い、右足でガラッと扉を開けた。

 世河(せがわ)くんにお姫様抱っこされた状態で中に入る。

 保健室の中は、薬品の匂いが漂っており、
 世河(せがわ)くんは右手で扉を閉め、わたしはベットまで連れて行かれ、ゆっくりとそのまま降ろされる。