天使なのに、なぜか甘やかされています。

羽美(うみ)!! 大丈夫!?」

 ひかりちゃんが叫び、わたしの前にしゃがむ。
 それを見た与風(よかぜ)先生はピーッと笛を吹き、試合を中断させ、慌てて駆けてくる。

「大丈夫か!?」

「ひかりちゃん、先生、わたしは大丈夫です」
「それより、ひかりちゃんは?」

「私は当たってないから大丈夫だよ」

「そっか、役に立てて良かった」

 わたしが微笑みかけると、ひかりちゃんは涙目になる。

「私が当たるはずだったのに」
羽美(うみ)、巻き添えにしてごめんね」
「保健室、行こう」

「ううん、ひかりちゃん、大丈夫」
「このまま試合続けよう」

 わたしはそう言って、床から立ち上がる。