天使なのに、なぜか甘やかされています。

 世河(せがわ)くんは座ったまま、ぐいっとわたしの肩を引き寄せる。

「先輩、中学の時から変わらないすね」
「新しい子見たらすぐ口説くのやめて下さい」
「バイト、クビになりますよ?」

「はは、(ひじり)、敵わねぇな」

「から揚げポテト、量多めにしといたからさ、許してくれ」
「じゃあ、楽しんでな~」

 店員さんはそう言って、部屋から出ていく。

白鳥(しらとり)、嫌な思いさせてごめん」
「2年上の先輩で、アレでも中学の時、俺達のこと可愛がってくれてたんだよ」

「そ、そうなんだ……」
「わたし、大丈夫だからその、気にしないで」