天使なのに、なぜか甘やかされています。

 するといつもの屋上階段まで辿り着き、扉の前に立つ。

 あれ?
 世河(せがわ)くん、鍵、手に持ってない?

「あの、世河(せがわ)くん、鍵は?」

「念の為、ここに隠しておいた」
 世河(せがわ)くんはそう言い、ズボンから鍵を取り出す。
 そして鍵で扉を開ける。

 屋上に入ると、世河(せがわ)くんは外から扉を閉め、

 わたし達は柵まで歩く。

 夜空の真ん中で細く美しい光が流れた。

「わ、流星群、きれい」

「あぁ。もっと近くで見てみたいな」

「じゃあ、見よう」

 わたしは天使の翼を発動させる。

「おい、もし誰かにバレたらどうするんだよ?」