天使なのに、なぜか甘やかされています。



 やがて駅に着くと電車に飛び込んで、一駅間、扉の窓から夜空を眺め、
 世河(せがわ)くんが無事に高校にいることだけを心の中で強く祈り、
 電車から降りると走って天籠《あまかご》高校の裏校門の前まで向かう。
 すると世河(せがわ)くんが待っていた。

 わたしは両目を見開く。

白鳥(しらとり)……」
「はー、来ないかと思った」
「電話かけなおしても出ないから」

 途中で電話かけなおしてくれてたんだ……。
 気が付かなかった……。

世河(せがわ)……くん……」

「あー、電話のことなら気にしなくていい」

「会えた……」

白鳥(しらとり)……?」