好きなのに、進めない。【番外編】

どうしよう…とりあえず、メッセージを送ってみよう…かな…

待ち合わせに遅刻した私…もう、司の近くにいるんだけど、話しかけられない!!おそらく無視してるんだろうけど、可愛い女の子に囲まれている司。みんな可愛くて、私なんかがお待たせ〜なんてズカズカ行く勇気出ないよ…。

"もうすぐ着くよ"って送って様子見てみよう。

"もう着いてるんじゃなくて?"

あぁ…?これ、気づいてるやつ?あ、また来た。

"遅刻した彼女が、来るのを待ってるんだけど?"

"可愛い女の子達がいるから、なかなか…"

"みのり以外興味ないから、眼中に無い。
来るまで待ってるから早く"

"意地悪!"

"可愛い彼女かいるから、眼中に無いだけ。来るまで動かないから。"

たまに出る意地悪司!もう!行くしか無い!!

「あ…あのぉ…司?お、お待た…せ…っ。」
あぁ…この視線の痛さよ…

「遅く無い?」

「ご、ごめん!」
いや、誰?ってなりますよね…おねぇ様方…

「ん。じゃ、行くか?」

「あ…あの、良いの?」
私の手を取って、グングン歩いて行ってしまう司。

「何が?待ちくたびれたから、早く行くぞ。」

「いや、そうじゃなくてっ!一緒にいた女の人たち何か言ってるよ?」

「眼中に無いし、臭くて、うるさくてマジで迷惑極まりない。次から遅刻すんなよ。ってか、次からは迎えに行くわ。」

「はい…すいませんでした…。」

「可愛い格好で、嬉しいから許すけど。」

「えへへ。」

「足出し過ぎじゃん?」

「そう?」

「あんま、他のやつに見せんなよ。」

「ふふっ。お父さんなの?」

「もう、学校のジャージ履いて来いよ。」

「やだよ!」

「やっぱ、このままうち来る?」

「今日は映画でしょ!」

「行くけどさ、そんな格好で来てるんだから、多少触っても文句言うなよ。」

「いや…外でそういうのは。ちょっと…。っていうか、さっきの女の子達の方がすごい格好だったし!」

「そうだった?」

「いやいやいやいや、司の周りに何人もいたよ!」

「視界に入れてないから、記憶にない。」

「ある意味、凄いね…」

「とにかく、次からは膝下のスカートかズボン。待ち合わせはしないで迎えに行くって事で、映画の前にブランケットか服を見に行こう。俺が無理だわ!」

「お父さん、厳しすぎ〜。ブランケットなら、お揃いにしても良い?」

「俺、要らないけど。」

「でも、プレゼントしたら使ってくれるでしょ?」

「みのりがうちに来た時に使うように部屋に置いとけば?」

「そうしようかな。司の匂いつきそうだから、たまに私のと交換しても良い?」

「おまっ…それ確信犯?」

ん?っと首を傾げる無自覚なみのりに、大きなため息を吐く司。映画デート始まって早々に、みのりにやられた司でした。