ある時、「アビズマル・ドゥーム」の隣の国から 少年が旅をした。 少年は、「アビズマル・ドゥーム」にも足を踏み入れた。 「アビスマル・ドゥーム」は世界で最も面積が広い国である。 今となっては、世界で最も人口が少ない国でもあるが。 少年は国の様子を見て目を輝かせた。 その国の治安の悪さに。 まさに地獄だと。 少年は武力が一番だと思っており、戦いが何より好きだった。 今まで何度も手を汚した。 少年が仕留めようとした者たちは誰であろうと逃すことは無かった。 勿論、情けをかけることも無く。 しかし、少年は生命あるものの最後には必ず、満面の笑みを浮かべていた。 それは優しく、意志の強さで溢れた笑顔だという。 そんな素直な少年は嘘をつかなかった。 しかし 人によっては それほどたちの悪いことはないという。 アビス マルドゥームで少年は真っ先に 宿を探した。 しかしなかなか見つからず おかしな輩に 道中 何度も 絡まれた 少年は売られた喧嘩は全て買う。 そのため 本来ならば必要のない争いをした。 少年からしてみれば全て喧嘩に勝ってしまったので よくも悪くもないことなのだが。 それを繰り返しながら国の端から端まで宿を探したがどこも止めてくれないという。 最後に訪れた宿から うろうろしていると 少年と同じくらいの年の少女とすれ違った 少女は 漆黒のまっすぐな髪を下ろしており 長さは 肩にかかるくらいだろうか。 服装は この 国 独自の民族衣装 なるものを身にまとっていた。 そしてとても繊細で切れ長の目をしていたまる しかしその目は少年と違い ひどく うつろでくらい。 それは多分あ水丸 ルーム出身で戦争を経験しかつ 生き延びたからと推測できた。 そんな暗い少女に関わるのは面倒だと思い そのまま通り過ぎようとした。 しかし少女の方から声をかけられた。 野党をお探しのようですね。 と。 何と言うか 少年は鋭いなと思う なぜ少年が宿を探しているとわかったのだろう。 とりあえず素直に頷いた。 すると 少女は自分が身につけていた武器を見せた。 意味がわからず 首を傾げていると少し 女が口を開いた。 私に勝つことができましたら 今夜は私の家に止めましょう。 少年は別に侮辱でも良かったのだが勝負 と言われて断る理由はない。 少女の挑戦を少年は素直に受けた 結果 少年は勝負に負けた。 たった5分で決着がつき少年はとても納得がいかない。 負けた理由がわからずうずうずしていた少年に少女は言った。 あなたの一番の敗因は経験です。
