綺麗な夕焼け色に空が染まった時間。
ふたりは駅で時刻表の確認をする。
時計を見ると、十七時十五分。
「十七時で最後か……最終の電車、間に合わなかったな」
私の住んでいる街は、住んでいる人が少なくて……街を行き来する電車やバスが少ない。
「ごめんね、私がこれを探すのに、時間をかけすぎたからだよね……夢中になりすぎちゃったな」
遥斗によつばのクローバーを見せた。
「見つけられてよかったね!」
遥斗はいつも私を否定しないで、こんな時にも優しい言葉をくれて、明るい気持ちにさせてくれる。
「うん! ていうか、もう今日は帰れないし、どうしようね」
「どっか泊まれる場所、探そうか? ネットでホテル、調べてみるね!」
遥斗がスマホで色々泊まれる場所を探してくれた。
「今からって、難しいかもな……どこもバツ印ばかりだ」
「満室ってこと?」
「そう……とりあえず、この辺のホテルに直接行ってみる?」
「そうだね!」
ダメ元で近くのホテルに入ってみて、受付のお姉さんに部屋が空いているか聞いてみた。
「大変申し訳ございません。ただ今お部屋が、ひとつしか空いておらず……」
「どうする? 別の場所探す?」
「えっ? 遥斗が大丈夫なら、私は一緒の部屋でもいいよ?」
――同じ部屋で泊まるなんて、考えるだけでもう緊張しすぎて心臓の音が早くなっているけれど。
「そ、そっか……」
遥斗の目が泳いでる。
遥斗は今、何を考えているんだろう。
「じゃあ、彼女と僕のふたり、その部屋でお願いします!」
「かしこまりました」
平常心を装いながら、近くのコンビニで夜ご飯の焼き肉弁当をふたつ買うと、部屋に戻って食べた。
「ごちそうさまでした!」
「咲良、先に風呂入るか?」
「先に入ってきていいよ? 私、ちょっと休憩したいな!」
「分かった!」
――よし、浴室に行った!
よつばのクローバー、実は遥斗の分も探したんだよね。だって、花言葉は『幸運』だから。
遥斗のお財布の中にこっそり入れようかな。カードとカードの間とか、すぐバレないところに入れとこう。遥斗の鞄から財布を出した。
そして〝遥斗、幸せになってね!〟って、強くお願いごとしながらよつばのクローバーを入れると、私は遥斗の財布を鞄の中にそっと戻した。
財布の方向を見つめていたら、浴室からばたんと音がした。何事もなかったように私はテレビに視線を向けて、適当にかけてあったお笑い番組を眺める。
「さっぱりした! 咲良もお風呂にはいりな?」
部屋にあった白いパジャマを着て、髪の毛をバスタオルで拭きながらお風呂から上がってきた遥斗。
「うん!」
私もお風呂に入った。あのよつばのクローバー、いつ見つけてくれるかなぁってずっと考えながら。
「あー、さっぱりした」
私がお風呂から上がると少しだけのんびりして、そしてふたりは眠る準備を終えた。
「ごめんね!遥斗、床で眠ってもらうことになっちゃって」
「いいの、いいの! 気にしないで!」
ベッドはこの部屋にひとつしかなかった。ふたりは恋人同士ではないから、同じベッドで眠れなくて。遥斗が床で眠ることになって、背中が痛くならないかなって心配になったし、とても申し訳ない気持ちになる。
「じゃあ、電気消すよ?」
遥斗が部屋の電気を消した。
「おやすみなさい」
「咲良、おやすみ!」
なんとなく、遥斗に背中を向けた。
――今はただの幼なじみだけど、いつか両想いになって、恋人になりたいな。そうしたら、一緒にギュッてしながら眠れるのにな。
*
ふたりは駅で時刻表の確認をする。
時計を見ると、十七時十五分。
「十七時で最後か……最終の電車、間に合わなかったな」
私の住んでいる街は、住んでいる人が少なくて……街を行き来する電車やバスが少ない。
「ごめんね、私がこれを探すのに、時間をかけすぎたからだよね……夢中になりすぎちゃったな」
遥斗によつばのクローバーを見せた。
「見つけられてよかったね!」
遥斗はいつも私を否定しないで、こんな時にも優しい言葉をくれて、明るい気持ちにさせてくれる。
「うん! ていうか、もう今日は帰れないし、どうしようね」
「どっか泊まれる場所、探そうか? ネットでホテル、調べてみるね!」
遥斗がスマホで色々泊まれる場所を探してくれた。
「今からって、難しいかもな……どこもバツ印ばかりだ」
「満室ってこと?」
「そう……とりあえず、この辺のホテルに直接行ってみる?」
「そうだね!」
ダメ元で近くのホテルに入ってみて、受付のお姉さんに部屋が空いているか聞いてみた。
「大変申し訳ございません。ただ今お部屋が、ひとつしか空いておらず……」
「どうする? 別の場所探す?」
「えっ? 遥斗が大丈夫なら、私は一緒の部屋でもいいよ?」
――同じ部屋で泊まるなんて、考えるだけでもう緊張しすぎて心臓の音が早くなっているけれど。
「そ、そっか……」
遥斗の目が泳いでる。
遥斗は今、何を考えているんだろう。
「じゃあ、彼女と僕のふたり、その部屋でお願いします!」
「かしこまりました」
平常心を装いながら、近くのコンビニで夜ご飯の焼き肉弁当をふたつ買うと、部屋に戻って食べた。
「ごちそうさまでした!」
「咲良、先に風呂入るか?」
「先に入ってきていいよ? 私、ちょっと休憩したいな!」
「分かった!」
――よし、浴室に行った!
よつばのクローバー、実は遥斗の分も探したんだよね。だって、花言葉は『幸運』だから。
遥斗のお財布の中にこっそり入れようかな。カードとカードの間とか、すぐバレないところに入れとこう。遥斗の鞄から財布を出した。
そして〝遥斗、幸せになってね!〟って、強くお願いごとしながらよつばのクローバーを入れると、私は遥斗の財布を鞄の中にそっと戻した。
財布の方向を見つめていたら、浴室からばたんと音がした。何事もなかったように私はテレビに視線を向けて、適当にかけてあったお笑い番組を眺める。
「さっぱりした! 咲良もお風呂にはいりな?」
部屋にあった白いパジャマを着て、髪の毛をバスタオルで拭きながらお風呂から上がってきた遥斗。
「うん!」
私もお風呂に入った。あのよつばのクローバー、いつ見つけてくれるかなぁってずっと考えながら。
「あー、さっぱりした」
私がお風呂から上がると少しだけのんびりして、そしてふたりは眠る準備を終えた。
「ごめんね!遥斗、床で眠ってもらうことになっちゃって」
「いいの、いいの! 気にしないで!」
ベッドはこの部屋にひとつしかなかった。ふたりは恋人同士ではないから、同じベッドで眠れなくて。遥斗が床で眠ることになって、背中が痛くならないかなって心配になったし、とても申し訳ない気持ちになる。
「じゃあ、電気消すよ?」
遥斗が部屋の電気を消した。
「おやすみなさい」
「咲良、おやすみ!」
なんとなく、遥斗に背中を向けた。
――今はただの幼なじみだけど、いつか両想いになって、恋人になりたいな。そうしたら、一緒にギュッてしながら眠れるのにな。
*



