あなたのキスで血が巡る


それからわたしは、玲の家で過ごさせてもらうようになった。

玲が仕事の日の日中はインターホンが鳴っても居留守を使い、広瀬さんが来るんじゃないかという恐怖に耐えながら、毎日玲の帰りを待っていた。

そして、わたしが広瀬さんの家を飛び出してから5日後の夜の事だった。

ピーンポーン

玲の家のインターホンが鳴った。

時刻は20時を過ぎている。

こんな時間に誰かが訪ねて来るなんて、、、

玲とわたしは顔を見合わせ、玲は不安なわたしの気持ちを察し「大丈夫。俺が出るから、リラは寝室に行ってて。」と言い、わたしは頷くと寝室の方へ向かった。

玲は玄関へ向かい、玄関のドアが開く音がした。

「はい、どちら様ですか?」

玲の声だ。

そしてその玲の問い掛けに「リラは居るか?」という声が聞こえて来て、わたしは震え上がった。

広瀬さんの声だ、、、

「どちら様ですか?と訊いたんですが。」
「リラが居るんだろ?さっさと返してくれないか。」
「いいえ、居ませんよ。お引き取りください。」
「興信所に調べさせて、ここに居るのは分かってるんだ。」

広瀬さんはそう言うと、「おーい、リラ。出て来なさい。今出て来れば許してやる。」とわたしへ呼び掛け始めた。

わたしは怖くてしゃがみ込み、耳を塞いだ。