あなたのキスで血が巡る


エレベーターが1階に到着すると、わたしはとにかく走った。

外は大雨が降っていて、靴を履いて来なかったわたしは、まるで氷の上を走っているかのようで足は冷たく痛かった。

雨も容赦なくわたしを打ち濡らし、前髪に雨が滴って前が見辛く、前髪をかき上げながら、わたしは必死に走った。

ただ、ひたすら玲の顔を思い浮かべながら走った。

玲、、、玲、、、

こんなに走ったのは久しぶりで、体力もないわたしはすぐに息切れをし、肺が痛くなったが、それでもわたしは足を止めなかった。

玲のところへ、、、
広瀬さんに見つかる前に玲のところへ行かなきゃ、、、

フラフラになりながらわたしは走っているのか、歩いているのか分からない状態で前へ進み、気付けば玲のマンションに辿り着いていた。

意識が薄れゆく中、わたしは階段を上り、千鳥足で305号室の目の前までやって来た。

そして、インターホンを鳴らす。

すると、少し待ってから玄関のドアが開いた。

「え!リラ?!」
「玲、、、」

雨に濡れ酷く衰弱したわたしを見た玲は、すぐにわたしを抱き締め、家の中に入れてくれた。

わたしは玲の顔を見ると、安堵から涙が溢れてきた。

「リラ、何があったんだよ!とりあえず、タオルと着替え持って来る!」

玲はタオルを持って来ると、わたしの髪の毛を拭いてくれ、雨と涙で濡れた顔を優しく拭ってくれた。

「俺を頼って来てくれたんだな。ありがとう。」
「玲に、、、会いたくて、、、」

玲はわたしを拭いてくれたあと、毛布でわたしの身体を隠し、玲の服を貸してくれ着替えさせてくれた。

玲の服は当然わたしには大きくて、スウェットもワンピース状態になっていた。

そんなわたしの姿を見て、玲は「可愛い。」と言い、微笑んでいた。