そんな泣きじゃくるわたしを、日野石くんは少し戸惑いながらもそっと優しく抱き締めてくれた。
初めて感じる温もり。
温かい、、、心が落ち着く、、、
すると、日野石くんは「なぁ、野花。」とわたしを優しく呼び、それから「野花のこと、リラって呼んでもいい?」と訊いた。
わたしは泣きながら頷き、「いいよ。」と返事をした。
「じゃあ、俺のことは玲って呼んで?」
「うん。」
日野石くんはわたしの肩を掴み、ゆっくり身体を離すと、わたしを穏やかな表情で見つめ「リラ。」と呼んだ。
そして、わたしも涙だらけの顔で日野石くんを見上げ「玲。」と呼んだ。
それから、何だか気恥ずかしくて、お互いに笑い合った。
「あ、リラ。笑った。」
「え、、、わたし、笑えてた?」
「うん、笑えてたよ!良かった!リラの笑顔、見たことなかったから。」
玲はそう言って、嬉しそうに微笑んでいた。
わたし、、、初めて笑えた。
作り笑顔とかじゃなくて、自然と笑えてた。
「リラの笑顔、素敵だよ。もっと、笑って欲しい。」
玲の言葉にわたしは再び自然と口角が上がり、頬が緩んだ。
わたしは玲に優しさと温もりを貰い、そして笑い方を教えてもらった。



