あなたのキスで血が巡る


「野花、、、マフラー巻いたままだけど、それは痣を隠す為?」

日野石くんの言葉にわたしは俯き、マフラーに手を触れた。

「見せたくないなら、そのままでもいい。でも、、、俺には、ありのままで居てくれていいよ?その痣は、別に野花が好きでつけたものじゃないだろ?ただ、、、俺は、これ以上、、、痣を増やして欲しくない。自分の身体に傷をつけて、心を擦り減らしてまで、、、自分が存在しているのか分からなくなる程、我慢して欲しくない。」

日野石くんはそう言うと、身体をこちらに向け、マフラーに触れるわたしの手を握り締めた。

「助けたい、、、野花のこと。」

わたしは日野石くんの言葉にゆっくりと顔を上げ、日野石くんの方を見た。

日野石くんは真剣な表情で、真っ直ぐな瞳でわたしを見ていた。

「日野石くん、、、何で?わたしは、、、ただの元クラスメイトなだけなのに、、、」
「そんな話を聞いて、黙ってられないよ。確かにただの元クラスメイトだったかもしれない。でも、、、偶然にも再会出来て、こうして今一緒に居る。もう、、、ただの元クラスメイトじゃない。俺、さっき言っただろ?俺は野花の味方だって。」
「味方、、、わたし、もう一人じゃないの?助けてって、、、言っていいの?」

わたしはそう言いながら、鼻の奥がツンとして涙が溢れてきた。

我慢して蓋をしていた感情が溢れ出すように、涙が次々と零れ落ち、日野石くんの顔が涙でぼんやりとして見えなくなった。

「いいよ。助けてって、言っていいんだよ。俺が、、、野花を守るから。」

日野石くんの言葉にわたしは声を出して泣いた。

こんなに泣いたのは、初めてかもしれない。

でも、この涙は悲しい涙じゃない。
嬉し涙だ。