それからわたしは、"野花のことを知りたい"と言う日野石くんに自分のことを話した。
わたしは、母と妻子ある男性の不倫から望まれない子として生まれてきた事。
母は、わたしを愛してくれず、いつも一人だった事。
幼い頃、母を探して彷徨い歩き、警察のお世話になったり、児童相談所の施設に入っていた時期がある事。
高校生の時に自分の身体を売っていたのは、飢えをしのぐ為に仕方なく行っていた事。
その後、広瀬さんに拾われ、彼の癒しの為に体をオモチャにされている事。
普通だったらこんな事、恥晒しで話すことなんて出来ないけど、日野石くんになら、なぜかありのままを話すことが出来た。
すると、ずっと黙ってわたしの話を聞いていた日野石くんが涙を流している事に気付く。
え、何で?何で泣いてるの?
「日野石くん、、、何で、泣いてるの?」
わたしがそう訊くと、日野石くんは涙声で「ごめん。」と言うと、手のひらで涙を拭い、「ツラいなんて言葉じゃ軽すぎるくらい、、、野花は必死に生きてきたんだなぁって思ったら、何か泣けて来て、、、」と言った。
「こんな、恥晒しな話、聞いてくれてありがとう。だからわたしは、穢れた、、、存在しているとは言えない人間なの。」
「、、、恥晒しなんかじゃないよ。野花は穢れてなんかいないし、ちゃんとここに存在してる。俺は、、、野花には、幸せになってほしい。」
日野石くんの言葉に、わたしは思考が停止したように日野石くんを見つめた。
"幸せになってほしい"、、、?
どうして、、、他人のわたしなんかに、そんな風に温かい気持ちを投げ掛けてくるの?



