あなたのキスで血が巡る


すると、左寄りでソファーに座っていたわたしの右側に日野石くんが腰を掛けた。

すぐ隣に日野石くんが座ってる、、、

わたしの心臓は緊張から、ドキドキと身体中に鼓動を響かせた。

「じゃあ、いただきます。」
「どうぞ〜。」

わたしはチーズケーキが乗った器を持つと、チーズケーキの尖った先端の方をフォークで刺して掬い、口へと運んだ。

久しぶりに食べるチーズケーキ。

甘くてチーズの味が濃厚で、わたしは自然と「美味しい。」と言葉に出していた。

「本当?良かった。」
「ケーキ食べるの、久しぶり。」
「え、そうなの?」
「うん。普段、あまり食事も摂らないから。」
「え?食べさせてもらえてないの?」
「ううん、そうじゃなくて、、、ただ、食欲がないだけ。」

わたしがそう言うと、日野石くんは心配そうに「大丈夫なの?」と訊いた。

「全く何も食べてないわけじゃないから大丈夫。それに、今チーズケーキ食べてるし。」

そう言うと、日野石くんは切なそうに微かに微笑んで「じゃあ、俺と会った時は必ず何か食べような!」と言った。

その言葉にわたしはハッとした。

"俺と会った時は"って、、、これからも会ってくれるってこと?

日野石くんは自分のケーキを食べると「ん!美味い!野花、こっちも食べてみる?美味いよ!」と言い、わたしにショートケーキを一口食べさせてくれた。

何、これ、、、この感情、、、

感じたことのない温かさと、揺さぶられる心が何か新しい感情を覚えようとしてる。

これが、、、幸せって感情なの?