「あ、ごめんね。急に電話なんかかけちゃって、、、」
「ううん、大丈夫だよ。丁度、休憩に入ろうと思ってたところだったし。」
「休憩ってことは、日野石くん仕事してるの?」
「うん、俺は大学進学しないで就職したよ。」
「そうなんだ、それなのに、、、こんな平日の昼間に電話しちゃって、ごめんね、、、」
わたしがそう言うと、日野石くんは「そんなこと気にしないで?出れなかった時は、こっちからかけ直すから、いつでも電話くれていいよ。」と言ってくれた。
何で、、、何でそんなに優しいの?
もっと、、、日野石くんのことが、頭から離れなくなっちゃうじゃない、、、
「それで、何かあった?大丈夫?」
「うん、大丈夫。ちょっと、、、日野石くんの声が、聞きたくなって、、、」
わたしがそう言うと、日野石くんは「え、俺の声?」と驚いているようだった。
「そんな可愛い理由で電話くれたの?」
「あ、ごめんね。気にしないで。迷惑なのは分かってたんだけど、つい、」
そう言って、わたしが言い訳を並べようとすると、日野石くんは「迷惑なんかじゃないよ。」とわたしの言い訳を遮るように言った。
「嬉しい。俺なんかの声が聞きたくて、電話くれるなんて。」
え、、、嬉しい、、、?
そんな理由で電話かけても、、、良かったの?
「また、いつでも電話くれていいよ。こんな声で良ければ、いくらでも聞かせるから。」
「、、、ありがとう。」
「なぁ、野花。今度、うち来ない?」
「えっ、、、?」
「あ、変な意味じゃなくて!普通に、野花と話がしてみたい。野花のこと全然知らないから、野花のこと、もっと知りたい。」
わたしの事が、知りたい、、、?
こんな空っぽのわたしのことを。
わたしは「うん、、、」と返事をすると、「わたしも、日野石くんのこと、もっと知りたい。」と恥ずかしながらも言ってしまった。



