あなたのキスで血が巡る


そして、気がついた時には、わたしはベッドの上に寝かされていた。

「リラ、大丈夫か?」

その声にふと横を向くと、そこにはベッドの端に座る広瀬さんの姿があった。

「風呂で意識を失って倒れた拍子に頭をぶつけたんだ。」

広瀬さんにそう言われ、そういえば頭が痛いことに気付く。

わたしが額に手を触れると、そこには湿布が貼ってあった。

「悪かったな。つい、リラが可愛くて調子に乗ってしまった。」
「、、、大丈夫です。」
「とりあえず、水分補給をしなさい。」

そう言って、広瀬さんはわたしにコップに入った水を差し出してくれた。

「ありがとうございます。」

わたしはそう言うと、身体を起こし、広瀬さんから受け取ったコップの水を飲んだ。

「少し休んでなさい。」
「はい。」

広瀬さんは寝室から出て行くと、リビングの方へ歩いて行った。

わたしはコップを両手で覆うように持ち、コップの中の水を見つめた。

また、お風呂で倒れちゃった。
頭が痛い、、、

こんなことなら、そのまま打ち所が悪くて死んだ方が良かったんじゃないのかな。

わたしはあの日から度々、日野石くんのことを思い出してしまう。

わたし、何で日野石くんの事を思い出してしまうんだろう。
本当は助けて欲しいって、、、思ってるから?

でも、、、"助けて"と言う勇気がない。

わたしなんか、助けてもらう価値なんてないじゃない。