「私は夜の女じゃない」



誰もが望んだし、寧ろ誰も望まなかったかもしれない。

気づいたら私は様々な角度から標的にされて、その上一匹狼となっていた。


鞄にお財布、リップに鏡、整った髪にはリボンを付けて、ハイヒールを地面に鳴らした。


くるん、と上がった睫毛に人々の視線が引っかかる。

私、何かした?どこか変?
そんなに無愛想かしら。


物理的な物を望まなかったのは私で、周りが私に着飾って欲しかったみたい。

そんな状態を見て、心を踊らせるのも周り。



私はアイドルだった。

フリルを引きちぎってまで、私は私を心底嫌いにはなれなかったけど、きっと周りは違う。

衣装以上に身の中まで黒く染めたくなる様な心にさせてしまった者も私にはいる。



だから私はひっそりと消えたんだ。



ココになら書ける。私の思いの丈を。あのスキャンダラスな日常を。