好きなのに、進めない

limeはいつも通りだったけど、なんか気になる。名前を呼んでも上の空?イマイチ会話が盛り上がらない。何よりも、緊張し過ぎてうまく話せてない。
学年違う後輩まで知ってるんだから、みのりの耳に入ってるのも当たり前だよな。1番近くにいると思ってたみのりにも彼女がいるのか聞かれたけど、彼女なんている訳がなくね?

よく考えたらみのりから彼女がいるのか聞かれたのって初めてだ?少しは意識してくれてるのか?心配しなくてもあいつはいとこだし、性格がキツ過ぎるから無理!
周りがどう思っていようとも関係ないけど、勘違いでもみのりには間違われたくない。

「だれが言い出したから知らないけど、彼女いるかなんて直接聞けば良くね?」

「あっ…そうだよね。なんかごめん。」

そっけねー!ダメだ…また微妙な空気に逆戻り…好きって言ったらどんな顔をするんだろう。一緒に帰るのはこれが最後になるかもしれない。

「喉乾いた。ちょっと座ろうぜ。さっきのファンタ貰うわ。」

「うん。もう緩いかもよ。」

ここは、たまに2人で寄る公園。遊具に座ってさっきみのりに買ってきたファンタを飲んで、落ち着こう。