【第四話】
美琴「林檎くんの下宿先、我が家どうかなって」
林檎「な……っ」
鈴「えぇええええっ!」
理恵「そうよね……やっぱり鈴ちゃんからしたら嫌だよね」
鈴「あの、その」
鈴(嫌……とか以前に……林檎と一緒に住むとか……突然すぎて何て言ったら)
鈴(小学生まで定期的にしてた、お泊り会とはわけが違う……)
美琴「鈴、だめかな? お父さんからは許可貰ってて」
鈴「そうなの?! でも待って……、部屋とかもないし」
美琴「下宿中の光の部屋使って貰ったらいいかなって」
鈴「たしかにお兄ちゃん、お正月くらいしか帰ってこないけど……」
【※ここで鈴には兄の光が(大学生で下宿中とする)いることを読者提示する】
鈴「えっと……でもさすがに……幼馴染って言っても高校生だし……その林檎も嫌だと思うし」
美琴「……確かにそうね。理恵から聞いて、うちに住めばって勝手に話進めちゃったけど、林檎くんも年頃だもんね」
理恵「……じゃあ林檎、やっぱりロスに一緒に……」
鈴(あ……)
林檎「母さん、ちょっと待って」
・林檎は美琴を見る。
林檎「俺は鈴さえ良かったら……母さんがロスに行ってる間お世話になれたらって思います」
鈴(え、今なんて……?)
林檎「なるべく家事とか掃除も自分でして、藍田家の負担にならないようにします」
美琴「林檎くん……」
・林檎は美琴から鈴に視線を移す。
林檎「鈴、半年だけ、一緒に住ませてくれない?」
鈴「林檎……私……」
鈴(一緒に住むなんて、でも私が断ったら林檎がロスに行っちゃう……)
鈴(想いは伝えられなくても……今、会えなくなるのは嫌だ……)
理絵「林檎、鈴ちゃんも困ってるじゃない。半年だけだから一緒にロスに……」
鈴「半年だけなら……」
林檎「え?」
鈴「いいよ、一緒に住んでも」
理絵「いいの? 鈴ちゃん」
鈴「はい。幼馴染だし……」
林檎「やった」
林檎「鈴、ありがとうな」
・満面の笑顔の林檎にどきんとする鈴。
鈴(ど、どうしよう。今からこんなにドキドキするのに)
鈴(林檎を忘れなきゃいけないのに)
鈴(同居をどこかで楽しみに思う自分がいるなんて……)
美琴「じゃあ、決まりね!」
美琴「改めて乾杯しましょうか」
・四人は乾杯をし、食事を再開したところで場面展開。
──鈴の部屋──
・お風呂を終えて、ルームウェアを来ている鈴。
鈴「ふぅ、二週間後から林檎が隣の部屋に越してくるんだ……」
鈴「こんなことなるなんて頭が追い付かないよー」
鈴「週明け、玲乃に話聞いてもらわないと……」
鈴「いや、今電話いけるかな」
・鈴はスマホを手に取る。
──その時、スマホが震える。
・LINEメッセージの相手は林檎。
──林檎『窓の外見て』
鈴「え? 窓?」
・鈴が窓のカーテンを開けると、向かいの自室の窓から手を上げる林檎が見える。
鈴(林檎?)
・鈴は窓を開ける。
──窓越し──
鈴「どしたの?」
林檎「あ、鈴のすっぴん久しぶりに見た」
鈴「ちょっと!!」
・鈴はあわててルームウエアのフードを被る。
鈴「もうっ、用事ないなら閉めるから」
林檎「ごめんっ、待って」
鈴「なに?」
林檎「今日はありがとう。飯も同居のことも」
鈴「なに、よ。急に改まって……」
林檎「いや、母さんも居たし俺が同居したいって言ったこと、鈴、本当は嫌だったかなって」
林檎「今更だけど気になってさ……」
・林檎は眉を下げて叱られた子供みたいな顔をしている。
鈴(今更そんな顔ずるいよ)
鈴「別に、嫌じゃないから。その……幼馴染として困ったときはお互い様っていうか」
林檎「うん、そっか」
鈴「でも一個だけ。その玲乃とか以外には黙っててもらえると助かる」
鈴(林檎と同居なんて……学校には林檎のファンの子だっているし内緒にしてた方がいいよね)
林檎「……わかった」
鈴「じゃあ、寝るね」
林檎「鈴、明日空いてるよな? 映画いこ」
鈴「え?」
林檎「見たいんだろ? 『君の色はアオハル』だっけ?」
鈴「いいよ。林檎、小説とか興味ないじゃん」
林檎「鈴の好きなものは興味ある」
鈴「それ……どういう意味?」
林檎「とにかく、明日十時に迎えに行くから。ちゃんと起きて準備しとけよ」
鈴「えっ、ちょっと林檎」
林檎「おやすみ~」
・林檎は手をヒラヒラ振ると窓を閉める。
・鈴も戸惑いつつ、窓を閉めるとベッドに横になる。
・途端に明日のことを考えてドキドキしてくる鈴。
鈴(ちょっと待って待って。明日……林檎と二人っきりで映画とか)
鈴(ど、どうしよう……二人で出かけるとか)
鈴(嬉しいけど……なんか恥ずかしい)
鈴「う~~~~ほんと頭がパンクしそうだよ~~っ」
・鈴はジタバタしながらも布団をかぶって寝る。
──翌日・鈴の部屋──(朝)
・朝からおめかしする鈴。シフォンの淡い水色のスカートに白いパーカー
・鈴は姿見の前でにらめっこ。
鈴「玲乃とこの前、買い物行ったときに買ったけど……変じゃないないかな」
鈴「あ、やば。十時なっちゃう」
──藍田家・リビング──
・リビングでは美琴がコーヒーを飲みながら韓国ドラマに夢中。
美琴「あら、鈴おめかしして、どこいくの~?」
鈴「えっと、林檎と……映画」
・鈴は美琴を見ずに玄関で靴を履く。
美琴「ふふ、楽しんできてね~」
──藍田家・玄関前──
・鈴が家を出ると、ちょうど林檎が家の前に到着したところだった。
鈴「あ、林檎」
林檎「おう」
・林檎は読者モデルの特集で着ていたデート服をそのまま着ている。
(ゆったりめのブラックデニムに白のカットソー。上着は黒のマウンテンパーカー、足元は白いナイキのスニーカー)
鈴(あ!! リンくんのデートコーデに載ってた服装と一緒……)
鈴(わわわ。なんかほんとにデートみたい……)
・また林檎は林檎で鈴の可愛い私服姿を見てドキドキしている。
林檎「じゃあ、いこっか」
・鈴とあまり目をあわせない林檎。
鈴「林檎? どうかしたの?」
林檎「いや別に」
鈴「えっと、これ変だったかな……」
・鈴は自分の姿を見る。
鈴(モデルやってる林檎からしたらセンスないとか思われたかな)
林檎「……可愛いんじゃない」
鈴「え?」
林檎「鈴に似合ってる」
鈴(いま、なんて……それにちょっと林檎のほっぺた赤い……?)
林檎「急ご、電車の時間ギリだし」
鈴「う、うん」
鈴(気のせい……だよね)
──映画館──
・『君の色はアオハル』の上映が終り、映画館が明るくなる。
・観客が帰っていく中、まだ座席で涙腺崩壊中の鈴。
鈴「ぐす……」
鈴(うぅ、すっごいいい映画だった)
・鞄からハンカチを取りだそうとするが、ハンカチを忘れていることに気付く。
鈴「あ、ハンカチわすれちゃった」
・鈴は両手で涙を拭うと鼻水を啜る。
鈴「ずびーっ」
鈴(あぁ。両片思い最高……尊い……尊すぎるっ)
鈴(あれ、そういえば……林檎静かだな……)
・隣を見ると林檎はすやすや眠っている。
鈴「え、寝てる……ずっと?」
・涙がとまる鈴。
鈴(もうっ、やっぱり興味なかったんじゃん)
・鈴は林檎を起こそうとするが気持ちよさそうに眠るり林檎に少し見惚れる。
鈴(ほんと……綺麗な顔)
・そのとき林檎が鈴の肩にこつんと頭を乗せる。
・林檎のやわらかい黒髪が鈴の頬に触れる。
鈴「わ……っ、ちょっと林檎」
林檎「……う、ん……」
・寝ぼけている林檎を見て微笑む鈴。
鈴(髪の毛くすぐったい……)
・まだ起きない林檎。至近距離で林檎をじっと見つめる鈴。
鈴(ふふ、寝顔、ちっちゃいときのまんまだ)
・鈴がそうっと林檎の髪に触れると、林檎がパチリと目を開ける。
鈴(!!)
林檎「ごめん、俺寝てた?」
鈴「あっ、うん……」
・映画館の会場からは次々と人が出ていき、林檎と鈴の二人になる。
林檎「てか泣いたの?」
鈴「えっ、あ、感動して」
林檎「はい、これ使って」
・林檎から差し出されたのは鈴がモデルデビューのお祝いに上げた、林檎の刺繍付きのハンカチ。
鈴「これ、ずっと持っててくれたの?」
林檎「うん。鈴が俺が読モデビューのときにくれた世界で一個のハンカチだから」
鈴「お、大袈裟でしょ……大したものじゃないのに」
林檎「俺にとっては宝物だけど」
・林檎はじっと鈴を見つめる。
林檎「ね、鈴。目瞑って」
鈴「え? 何で……? もう出ないと……」
林檎「いいから、早く」
鈴(なになに?! どういうこと……)
鈴「ちょ……っ、林檎……っ」
・林檎の顔が近づいてきて反射的にぎゅっと目を瞑る鈴。
林檎「──鈴」
・林檎の低い声が鈴の名を呼んで林檎が急接近。
美琴「林檎くんの下宿先、我が家どうかなって」
林檎「な……っ」
鈴「えぇええええっ!」
理恵「そうよね……やっぱり鈴ちゃんからしたら嫌だよね」
鈴「あの、その」
鈴(嫌……とか以前に……林檎と一緒に住むとか……突然すぎて何て言ったら)
鈴(小学生まで定期的にしてた、お泊り会とはわけが違う……)
美琴「鈴、だめかな? お父さんからは許可貰ってて」
鈴「そうなの?! でも待って……、部屋とかもないし」
美琴「下宿中の光の部屋使って貰ったらいいかなって」
鈴「たしかにお兄ちゃん、お正月くらいしか帰ってこないけど……」
【※ここで鈴には兄の光が(大学生で下宿中とする)いることを読者提示する】
鈴「えっと……でもさすがに……幼馴染って言っても高校生だし……その林檎も嫌だと思うし」
美琴「……確かにそうね。理恵から聞いて、うちに住めばって勝手に話進めちゃったけど、林檎くんも年頃だもんね」
理恵「……じゃあ林檎、やっぱりロスに一緒に……」
鈴(あ……)
林檎「母さん、ちょっと待って」
・林檎は美琴を見る。
林檎「俺は鈴さえ良かったら……母さんがロスに行ってる間お世話になれたらって思います」
鈴(え、今なんて……?)
林檎「なるべく家事とか掃除も自分でして、藍田家の負担にならないようにします」
美琴「林檎くん……」
・林檎は美琴から鈴に視線を移す。
林檎「鈴、半年だけ、一緒に住ませてくれない?」
鈴「林檎……私……」
鈴(一緒に住むなんて、でも私が断ったら林檎がロスに行っちゃう……)
鈴(想いは伝えられなくても……今、会えなくなるのは嫌だ……)
理絵「林檎、鈴ちゃんも困ってるじゃない。半年だけだから一緒にロスに……」
鈴「半年だけなら……」
林檎「え?」
鈴「いいよ、一緒に住んでも」
理絵「いいの? 鈴ちゃん」
鈴「はい。幼馴染だし……」
林檎「やった」
林檎「鈴、ありがとうな」
・満面の笑顔の林檎にどきんとする鈴。
鈴(ど、どうしよう。今からこんなにドキドキするのに)
鈴(林檎を忘れなきゃいけないのに)
鈴(同居をどこかで楽しみに思う自分がいるなんて……)
美琴「じゃあ、決まりね!」
美琴「改めて乾杯しましょうか」
・四人は乾杯をし、食事を再開したところで場面展開。
──鈴の部屋──
・お風呂を終えて、ルームウェアを来ている鈴。
鈴「ふぅ、二週間後から林檎が隣の部屋に越してくるんだ……」
鈴「こんなことなるなんて頭が追い付かないよー」
鈴「週明け、玲乃に話聞いてもらわないと……」
鈴「いや、今電話いけるかな」
・鈴はスマホを手に取る。
──その時、スマホが震える。
・LINEメッセージの相手は林檎。
──林檎『窓の外見て』
鈴「え? 窓?」
・鈴が窓のカーテンを開けると、向かいの自室の窓から手を上げる林檎が見える。
鈴(林檎?)
・鈴は窓を開ける。
──窓越し──
鈴「どしたの?」
林檎「あ、鈴のすっぴん久しぶりに見た」
鈴「ちょっと!!」
・鈴はあわててルームウエアのフードを被る。
鈴「もうっ、用事ないなら閉めるから」
林檎「ごめんっ、待って」
鈴「なに?」
林檎「今日はありがとう。飯も同居のことも」
鈴「なに、よ。急に改まって……」
林檎「いや、母さんも居たし俺が同居したいって言ったこと、鈴、本当は嫌だったかなって」
林檎「今更だけど気になってさ……」
・林檎は眉を下げて叱られた子供みたいな顔をしている。
鈴(今更そんな顔ずるいよ)
鈴「別に、嫌じゃないから。その……幼馴染として困ったときはお互い様っていうか」
林檎「うん、そっか」
鈴「でも一個だけ。その玲乃とか以外には黙っててもらえると助かる」
鈴(林檎と同居なんて……学校には林檎のファンの子だっているし内緒にしてた方がいいよね)
林檎「……わかった」
鈴「じゃあ、寝るね」
林檎「鈴、明日空いてるよな? 映画いこ」
鈴「え?」
林檎「見たいんだろ? 『君の色はアオハル』だっけ?」
鈴「いいよ。林檎、小説とか興味ないじゃん」
林檎「鈴の好きなものは興味ある」
鈴「それ……どういう意味?」
林檎「とにかく、明日十時に迎えに行くから。ちゃんと起きて準備しとけよ」
鈴「えっ、ちょっと林檎」
林檎「おやすみ~」
・林檎は手をヒラヒラ振ると窓を閉める。
・鈴も戸惑いつつ、窓を閉めるとベッドに横になる。
・途端に明日のことを考えてドキドキしてくる鈴。
鈴(ちょっと待って待って。明日……林檎と二人っきりで映画とか)
鈴(ど、どうしよう……二人で出かけるとか)
鈴(嬉しいけど……なんか恥ずかしい)
鈴「う~~~~ほんと頭がパンクしそうだよ~~っ」
・鈴はジタバタしながらも布団をかぶって寝る。
──翌日・鈴の部屋──(朝)
・朝からおめかしする鈴。シフォンの淡い水色のスカートに白いパーカー
・鈴は姿見の前でにらめっこ。
鈴「玲乃とこの前、買い物行ったときに買ったけど……変じゃないないかな」
鈴「あ、やば。十時なっちゃう」
──藍田家・リビング──
・リビングでは美琴がコーヒーを飲みながら韓国ドラマに夢中。
美琴「あら、鈴おめかしして、どこいくの~?」
鈴「えっと、林檎と……映画」
・鈴は美琴を見ずに玄関で靴を履く。
美琴「ふふ、楽しんできてね~」
──藍田家・玄関前──
・鈴が家を出ると、ちょうど林檎が家の前に到着したところだった。
鈴「あ、林檎」
林檎「おう」
・林檎は読者モデルの特集で着ていたデート服をそのまま着ている。
(ゆったりめのブラックデニムに白のカットソー。上着は黒のマウンテンパーカー、足元は白いナイキのスニーカー)
鈴(あ!! リンくんのデートコーデに載ってた服装と一緒……)
鈴(わわわ。なんかほんとにデートみたい……)
・また林檎は林檎で鈴の可愛い私服姿を見てドキドキしている。
林檎「じゃあ、いこっか」
・鈴とあまり目をあわせない林檎。
鈴「林檎? どうかしたの?」
林檎「いや別に」
鈴「えっと、これ変だったかな……」
・鈴は自分の姿を見る。
鈴(モデルやってる林檎からしたらセンスないとか思われたかな)
林檎「……可愛いんじゃない」
鈴「え?」
林檎「鈴に似合ってる」
鈴(いま、なんて……それにちょっと林檎のほっぺた赤い……?)
林檎「急ご、電車の時間ギリだし」
鈴「う、うん」
鈴(気のせい……だよね)
──映画館──
・『君の色はアオハル』の上映が終り、映画館が明るくなる。
・観客が帰っていく中、まだ座席で涙腺崩壊中の鈴。
鈴「ぐす……」
鈴(うぅ、すっごいいい映画だった)
・鞄からハンカチを取りだそうとするが、ハンカチを忘れていることに気付く。
鈴「あ、ハンカチわすれちゃった」
・鈴は両手で涙を拭うと鼻水を啜る。
鈴「ずびーっ」
鈴(あぁ。両片思い最高……尊い……尊すぎるっ)
鈴(あれ、そういえば……林檎静かだな……)
・隣を見ると林檎はすやすや眠っている。
鈴「え、寝てる……ずっと?」
・涙がとまる鈴。
鈴(もうっ、やっぱり興味なかったんじゃん)
・鈴は林檎を起こそうとするが気持ちよさそうに眠るり林檎に少し見惚れる。
鈴(ほんと……綺麗な顔)
・そのとき林檎が鈴の肩にこつんと頭を乗せる。
・林檎のやわらかい黒髪が鈴の頬に触れる。
鈴「わ……っ、ちょっと林檎」
林檎「……う、ん……」
・寝ぼけている林檎を見て微笑む鈴。
鈴(髪の毛くすぐったい……)
・まだ起きない林檎。至近距離で林檎をじっと見つめる鈴。
鈴(ふふ、寝顔、ちっちゃいときのまんまだ)
・鈴がそうっと林檎の髪に触れると、林檎がパチリと目を開ける。
鈴(!!)
林檎「ごめん、俺寝てた?」
鈴「あっ、うん……」
・映画館の会場からは次々と人が出ていき、林檎と鈴の二人になる。
林檎「てか泣いたの?」
鈴「えっ、あ、感動して」
林檎「はい、これ使って」
・林檎から差し出されたのは鈴がモデルデビューのお祝いに上げた、林檎の刺繍付きのハンカチ。
鈴「これ、ずっと持っててくれたの?」
林檎「うん。鈴が俺が読モデビューのときにくれた世界で一個のハンカチだから」
鈴「お、大袈裟でしょ……大したものじゃないのに」
林檎「俺にとっては宝物だけど」
・林檎はじっと鈴を見つめる。
林檎「ね、鈴。目瞑って」
鈴「え? 何で……? もう出ないと……」
林檎「いいから、早く」
鈴(なになに?! どういうこと……)
鈴「ちょ……っ、林檎……っ」
・林檎の顔が近づいてきて反射的にぎゅっと目を瞑る鈴。
林檎「──鈴」
・林檎の低い声が鈴の名を呼んで林檎が急接近。



