約束の後

「大切じゃなくて、俺ら兄弟の初恋だから、未だに好きなんじゃね?」

「まじっすか!え?え?いーんすか?」

「いーんじゃね?結婚したから、もうあいつは敵じゃ
 無ねーしな。」

「長沢さん、渚さんの事マジで大切にしてるんですね。」

「そりゃー、20年かけてゲットしましたから。」
前にも聞いたセリフをケラケラ笑いながら言う憧れの先輩。俺、長沢兄弟と渚さんの事を、ついさっきから好きになりました。
家族になりたいぐらいです。

次の日、出社すると机の上に紙袋が置いてあった。
中にはラスクとメモ用紙。

"昨日はお会いできて嬉しかったです。
パン博のお土産です。
良かったら、食べて下さい。
今後とも、長沢をよろしくお願いします。

長沢 渚"

既に、出かけている長沢さんの席を向いてキュンとしながら

"長沢さん!男は恋愛対象ではありませんが、なんかもう、好きです!!"

涼に憧れる吉村くんのお話でした。