「あら、住み始めてから私達のことを家に入れる心の余裕あるのかしら?」
「は?」
「小さい時から大好きななぁちゃんとやっと結婚出来て、一緒に住み始めるのよ。独占欲剥き出しのあなたが、しばらくは人を家に入れるとは思えないわ!これ、母の勘ね!」
無きにしも非ず…家に帰って渚がいたら…そりゃぁ、朝から晩まで2人の時間を堪能したい。と言うよりも、渚を堪能したい。
「邪魔されるのは、無理だな。」
「明日はケーキ。明後日は引っ越しだからお蕎麦。日曜日は帰る前にみんなでランチに行くわよ。可愛い娘を私たちも堪能するわ!実は、もうなぁちゃんとお店もメニューも決めてるのよ。もちろん文句無いわよね?」
渚と決めたといえば、俺が文句言わないの分かってる辺りがさすが母親…でも、渚と母は昔から一緒に料理をする事が楽しみなのを分かっているから、渚が喜ぶことは間違いないし、何も言えない。日曜の夜から月曜全てを使って、愛する渚を堪能しようと心に誓った。



