約束の後

「中で、先生が来るの待ちましょうか。」
と、看護師さんに入室を即されて明らかな婦人科仕様な診察室に残された私たち。準備があると看護師さんがいなくなってからはお互い不安すぎてしばらく無言。

「大丈夫だよ。」と、言ってみる。

「何が?」

「んー?何かが?」

「体調悪かったの?」

「涼ちゃん居ないから、ダラけた生活してたぐらいかな。めっちゃピー揚げ食べて数日胃もたれした。」

「子供かよ。」

「大人だよ。暇だったの。誰かさんがアメリカ行っちゃうから。」

「それは、すいませんでした。」

「ピー揚げのストック無くなったので、箱でお願いします。」

「まじかよ、それやりすぎだろ。行く前に箱で買ったばっかじゃん。」

「だよね。でも、食べ出したら止まらない。」

「あるだけ食べるなら箱買い禁止するか。」

「鬼畜!」

いつも通りのどうでも良い会話になってさっきまでの緊張がほぐれたところで先生が入ってきた。

「お待たせしてごめんなさいね。」

「ご夫婦で、間違いないのかしら?」

「はい。」

「さっき婦人科の検査させて貰った時の映像をこのモニターに出しますね。この扇型みたいなのわかります?
これが奥さんの子宮ね。で、この白いたまごの様な、小さい袋みたいなのが赤ちゃん。」

「「……。」」