約束の後

「そんなに、睨むなよ。」

「教えてくれなきゃ、義理実家に家出する。」

「それはマズい!それだけは。」

「じゃあ、早く行って。」

「エントランスでは、あれだから。部屋まで行ったらなっ、そうしよう。」

気まずい空気のままエレベーターを降りて、部屋の中に入る。

「はぁ…。」
ソファーで自分の失態を後悔しても時すでに遅し。
隣に座った渚から睨まれている…。

「で?何?」

「あぁーーー。もう、聞いて引くなよ。」

「内容によるでしょ。」

「学生の時から、プロポーズするまでの間、颯斗づてに花梨から、渚の彼氏がいるいないをずっと聞いてた。」

「ぇえ!!怖っ!!キモ!」

「ほらな。だから、知られたくなかったんだよ。」

「自分が自爆したけどね。何年?7年ぐらい?」

「まぁ、そのくらいです…」

「ストーカーというか、執念深すぎでしょ。だけど、その間に年上ブロンド彼女もいたんでしょ?」