好きだと言ってくれるのに…ヤキモチ妬いちゃう《高校生ヒロインマンガシナリオ大賞用》


〇グランド

日曜日の午後の練習が終わると淳基が琴菜に話しかけてきた。

淳基 「今日、栞マネは?その大丈夫なのかな」

琴菜 「はっきりさせたいからって言ってた、体調不良ではないから安心して」

淳基 「そっか…その彼からのLINE時、平気そうなフリをするから逆に心配だったんだ」

琴菜 「淳基くんはよく気づくね」

淳基 「まあ体調不良じゃないならいいよ、ありがとう」



〇栞の家の前

夕方、栞が家に帰ってくると淳基が家の前で待っていた。


淳基 「心配で…」

栞 「ごめん…ご飯食べに行く?あたしが奢る」


2人は歩いて店に向かった。



〇ファミレス

淳基 「それで、彼には会えた?」

栞 「うん、部活終わりに校門前で待ち伏せてたら女と出てきたの」

淳基 「えっ?」

栞 「家が近いから跡つけて…それで彼の家の前で2人でキスしちゃったから2人の前に出て行って…別れる!って帰って来ちゃった」

淳基 「話し合いはしなかったんだ」

栞 「何か見たらムカついて飛び出してたわ」

淳基 「…栞マネって恋愛でも行動が早いんだね」

栞 「話し合うつもりだったのよ、一応」


栞は注文していたピザを手に持つと大きな口を開けて食べ始める。

淳基 「言うだけ言って彼氏の言い分は聞かなかったの?」

栞 「電話がかかってきたよ、でもキスしてたんだから浮気の現行犯だし、好きも冷めるよ」

淳基 「ちゃんと好きだったんだ」

栞 「…そうね、サッカー部のキャプテンとマネージャーみたいにはラブラブではなかったけど、人前ではあたしは嫌でさ…そういう所が彼には伝わってなかったのかなって冷静になると…」

淳基 「なるほどね、わからなくはない」


昨日のLINEは自分は送っていないと電話で言われ、それなら逆に女と一緒に居た事を問いただすとセフレは認めたと栞は淳基に色々あった事を話し、もう元には戻れない事を彼に告げたらしい

栞は話を聞いてもらいスッキリとしたと淳基に伝え食事を終えると家に送ってもらいありがとうと告げたのだった。


〇週末の金曜日の校門前

琴菜 「栞ちゃん、日曜日の試合の備品を買いに行かない?」

栞 「いいよ、今日早く終わったしね」


先生の会議の為、昼までの授業だったから部活も早く終了したのだ。

時刻は5時過ぎだった。

琴菜 「俊も行くか聞いてみる」



女子 「御崎さん」

栞が振り向くと前の学校の制服を着た背の高い女の子が声をかけてきた。

琴菜が心配そうに栞の制服を持つと


栞 「例のセフレの人よ」

とコソッと言ってくれた。

次の日に琴菜には報告済みだったのだ。


女子 「啓介(けいすけ)が別れたいって言うのよ、あなた何か言った?」

栞 「はぁ?啓介はあたしと付き合ってたのにあんたが勝手に啓介のスマホを使って操作したんじゃない、だからあたしから別れるって言ったでしょ?自分が彼女ヅラしないでよ!」

琴菜 「栞ちゃん、場所変えた方が…」



淳基 「全く、こんな所でケンカしない」

淳基が後ろから栞をハグした。

栞はびっくりして後ろを向いた。

栞 「だって、あの人が……んっ」

淳基は栞にキスをして口を塞いだ。

栞 「ち、ちょっと…」

淳基 「シッ、男が少し離れたとこにいる」

栞 「えっ」


栞は周りを見ると少し離れた所に啓介がいた。

栞 「き、昨日から付き合いだしたの、もう啓介もあなたも関係ないから帰って」

女子生徒は悔しそうな顔をして去っていった。


淳基 「行こうか、栞ちゃん…もうケンカしちゃだめだよ、またこの口を塞ぐよ」

栞のおでこにチュッとキスをして

栞 「うん、わかった、ごめんね、行こ」


栞は腕を組んで淳基と歩き出した。


琴菜 「えーーと、買い物……」

後ろにいた俊のスマホが鳴る。


淳基 「元カレがいたからこのまま帰る」

俊 「わかった」

俊は琴菜に引っ付き肩を組んだ。

俊 「琴菜、帰るぞ」

琴菜 「栞ちゃんと買い物に行くんだったんだけど」

俊 「明日にしろよ、チュッ」

俊は軽く琴菜の口唇にキスをした。

琴菜 「もう〜、こんなとこで…」

俊は琴菜とマンションに向かって歩いて行く。


〇マンションの公園

琴菜 「んっ…んっ…」

俊は琴菜にキスをしていく…


俊 「淳基が人前でねー」

琴菜 「びっくりしたね」

そういうと男がいた事を琴菜に説明するとまたキスを始めたのだった。



〇栞の家の前

淳基 「ごめん!」

淳基は栞に頭を下げて謝っていた。


淳基 「人前でなんて嫌って知ってたのに男がいたのが見えたら抱きついてた…その自分でも何であんな行動したのかびっくりしている…」

栞 「よく気づいたね、元カレがいたのは、あたし全然知らなかった」

淳基 「違う制服が見えてキョドってから目に入ってきた」

栞 「さすが、チームの司令塔(笑)まああそこで出てくる勇気はなかったんだね、別れて正解だった、また迷惑かけてごめん」

淳基 「こっちこそごめん、初めてだったけど、誤魔化せたかな」

栞 「初めて?凄く慣れてたっていうか、全然嫌じゃなかった、自然だったよ」

淳基 「事情を知っていたから身体が勝手に動いてた……俊のを見てるからかな、でも本当にごめん」

もういいよと栞は淳基の頭をあげさせた。

栞 「あの2人のキスなんて見ないけどな…学校では」

淳基 「試合の後、打ち上げする時にかな、日曜日の試合後に俊の家で打ち上げするからわかるよ、じゃあ帰るな、また明日」

淳基は帰って行った。

栞は後ろ姿をじっと見ていた。

栞 「ちょっとドキドキしたじゃん」


少し頬を赤くして家の中に入って行った。


〇スポーツ店

次の日、部活終わりに琴菜と栞は備品を買いに来ていた。

琴菜 「えー、淳基くんと付き合ってないの?キスしたじゃん」

栞 「あれはその場しのぎでしょ」

琴菜 「淳基くんは真面目だから何も思ってない人にキスなんてしないよー」

栞 「…でも付き合うとか言われてないし、謝られたし」

琴菜 「そっかー」


会計を済ませカフェでお茶をする。


〇カフェ

栞 「琴菜ちゃんはいつからキャプテンと付き合ってるの?」

琴菜はしばらく考えていた。

琴菜 「わかんないの、小さい頃から俊とキスしてたらしくて…付き合うとか言葉は記憶がないんだー」

栞 「キャプテンらしいというか(笑)それより明日の打ち上げ楽しみ、前の学校ってそんなのなかったから」

琴菜 「そうなの?今の2年生は仲良くてね、1年から大会後は打ち上げしてるの、楽しいよ」

しばらく2人は話し込み買い物は終わった。