〇マンション下の公園
俊と琴菜はいつものマンションの公園でキスをしていた。
俊 「不安にさせてごめん」
琴菜 「私もごめん…2人でいるとこが見れなかったの、ヤキモチばっかり妬いちゃう…」
俊 「ヤキモチも可愛いけどな(笑)」
琴菜 「嫌でしょ?」
俊 「えー、だって俺の事好きって事じゃん、嬉しいよ、長い付き合いなのにさ」
話していると俊のLINEが鳴った。
俊 「母さん、夜勤に代わったって、今夜泊まれよ」
琴菜 「じゃあ明日の支度してから行くね」
〇俊の家のリビング
玄関を開ける音がして琴菜が入ってきた。
俊 「遅いよ」
琴菜 「だってー、あれ、お父さんは帰らなかったの?」
俊 「仕事だから母さんも夜勤を代わってあげたみたい」
琴菜は急いで夕食を作り、2人は食事を終えると風呂場へ行った。
〇風呂場
俊の前にもたれて琴菜は湯船につかっていた。
俊 「今度の大会、母さん見に来るって言ってた、その後仕事に入るから打ち上げするならその日にすれば?だって」
琴菜 「わかった、じゃあそうしようか、何作ろうかね〜」
2人は湯船で20分ほど話し込む。
話し出すと止まらない。
〇俊の部屋
琴菜 「暑いよ〜」
俊 「琴菜がずっと喋ってるからだろ(笑)」
飲み物を部屋に持ち込み2人で水分補給をする。
俊 「今日は朝まで抱くからな」
琴菜 「明日、部活があるんだよ、程々にしようよ」
俊 「琴菜が悪いんじゃん、泣き顔見せたから……俺はいつもキスしてるし、可愛がって抱いてるのにさ、何で信じないんだよ」
琴菜 「頭では解ってるんだけど俊はコミュ力が高いから心配になる」
俊は琴菜にキスをしていく。
私が泣いたから俊はスイッチが入っちゃったみたいで…
俊は私の笑顔が好きだけど泣き顔も刺さるらしい、どうやらエッチの時の顔がよぎるらしいのだ。
俊が激しくすると泣き顔みたいに私が見えるらしくて…
俊 「俺が琴菜を抱いてから何年経ってると思ってんだよ、今だって毎日キスしたいし、エッチだってしたいのに…ハアハア…琴菜、こんなに好きなのに……」
琴菜 「俊…っ」
俊 「琴菜以外は俺には必要ない…んだよ…っ」
そう言うと琴菜の上に覆いかぶさった…
すぐに起き上がるとキスの嵐が始まる。
琴菜 「んっ、俊…」
琴菜も俊の激しいキスに応えるように声を荒げる。
俊の少し上から目線の時の抱き方が好き…
いつもは優しいけど少し拗ねたような、怒っているような…
わかってる、わかってるのに私のヤキモチは止まらない。
こういう激しく抱かれたい時に感情が出ちゃうのか、まだ自己分析は出来てないが私の声を俊は聞きたがる。
何度も繋がり、2人が眠りについたのは朝方の4時だった。
〇キッチン
眠たいけど起きなきゃいけない
時計は8時を指していた。
琴菜 「ほら、早く」
朝に弱い俊を頑張って起こして今日はパンと牛乳のみでなんとか家を出たのだった。
〇校門の前
琴菜と俊が校門前に着いた時、反対方向から栞と淳基もやってきた。
俊 「はよ〜、寝みぃ、淳基行こうぜ」
淳基 「じゃあ後で」
男女で別れて着替えに行く事に…
淳基 「随分眠そうだね(笑)部室の鍵を取って来ようか?」
俊 「あー、悪りぃな、朝までやっちまって寝不足なんだよ、ふぁぁ、腰も痛え…」
淳基 「はいはい(笑)」
〇女子更衣室
琴菜 「栞ちゃん、2人で来たの?偶然会ったの?」
栞 「ふふっ、琴菜ちゃんはキャプテン以外の事はズバッと聞けるんだね(笑)」
琴菜 「あっ、ごめん」
栞 「いいよ、あれからご飯を食べに行ったの、それでキャプテンに話そうと思ってた練習体制は坂本くんに話したからもういいの、何でいつもキャプテンが坂本くんを呼ぶのかわからなかったんだけど、このチームはどうやら坂本くんが司令塔みたい」
琴菜 「俊は前しか見えない性格だからかも、坂本くんの事は信頼してる、キャプテンも坂本くんかもと思ったけど特進だから俊になったみたい、頭もいいしね」
栞 「そう、特進クラスなんだってね、で、送ってくれてた時に彼から連絡きてて……別れようって」
琴菜 「えっ?」
琴菜は栞を見た。
栞 「どうして?って送り返したけど返事が来なくて…ちょっと動揺して坂本くんとわかれたから心配して朝も来てくれたの」
琴菜 「栞ちゃん、冷静過ぎない?部活休んでもいいレベルだよ」
琴菜は代わりに泣きそうな顔をしている。
栞 「先週会った時はそんな感じはしなかったんだけどね、まあハッキリはさせるよ…大丈夫だって」
栞は琴菜の背中をポンと叩いた。
〇グランド
テントのテーブルの上にはノートが置いてあった。
どうやら栞ちゃんのノートを部活用に坂本くんがまとめてきていたみたいで、今日はお試しで練習をしてみるみたいだ。
さすがやる事が違うと俊も琴菜も栞までも感心した。
自分達は感情に任せて抱き合っていたのに…ごめんと琴菜は思いながらもノートを見ていると眠気に襲われる。
気がつけば休憩のタイマーで目が覚めた。
琴菜 「休憩でーす」
大きな声を出すと目が覚めた。
だめだ、しっかりしなくちゃ!
〇女子更衣室
栞はスマホを見ていた。
栞 「どうしてって何?ってきてる」
琴菜 「それって削除されてない?」
栞 「あっ、確かに……絶対女だわ」
琴菜 「でもロックとかかけてないの?」
栞 「あいつ、普通に人前で解除するからバレバレなのよ、私でも暗証番号知ってるし」
栞はスマホをカバンに入れた。
栞 「セフレだな…」
琴菜 「えっ!セフレ?でもスマホ触っただけで、その…体の関係とかわかるの?」
栞 「転校前に彼に迫っていた女子バスケ部の女がいたんだよね〜」
琴菜 「でも、栞ちゃんという美人な彼女がいるのに?」
栞 「んー、でもやっぱりいないからバレないでしょ」
栞は少し考えて
栞 「明日さ部活休むかも、時間が合えば会ってくる、はっきりしたいから」
琴菜 「うん、大丈夫だよ」
そして次の日、栞は部活を休んだ。



