好きだと言ってくれるのに…ヤキモチ妬いちゃう《高校生ヒロインマンガシナリオ大賞用》


〇グランド

栞が入部して2ヶ月が経とうとしていた。

今日は練習試合でスコアもつけれる栞は控え選手と同じコートサイドに座っていた。

先生や俊ともよく話しているのが琴菜でもわかるほどだった。


琴菜はいつものテントにベンチに入れていない初心者の一年生と見ている。




〇水飲み場



試合の休憩の間に琴菜はドリンクを作りに水飲み場に行くと、1年生が顔を洗いに来ていて話が耳に入ってきた。


部員 「栞マネって俺達の位置をよく見てるよな、キャプテンに言ってキャプテンが指示出してるんだよな?」

部員 「さっきの試合か?」

部員 「うん」

部員 「でも指示は副キャプテンが出すって先輩から聞いたことがあるぞ」

部員 「キャプテンと栞マネが最近よく話してるからさー」

部員 「栞マネって美人だよな、キャプテンと並んでると美男美女でお似合いだよ」

部員 「でも琴菜マネがいるじゃん」

部員 「琴菜マネも可愛いけど栞マネに言い寄られたら考えるな」

部員 「お前じゃ相手にされないって(笑)」

部員 「まあな(笑)」

2人はベンチの方に戻って行った。



琴菜は話を聞いていて泣きそうになっていたのをそっと指で瞼を触って我慢した。

鼻を1度すすり、ドリンクを作り始めた。


大丈夫、大丈夫…俊は私が好きなんだから…

琴菜は自分に言い聞かせた。


少し離れた所で、淳基が見ていた。


淳基 「ヤバいな…」



〇グランド


練習試合が終了した。

琴菜は後片付けをしていて、俊も1年に指示を出す。


俊 「1年、パイプ椅子を拭いて体育館に戻してくれ、2年はグランド整備」

部員 「はい!」

栞 「キャプテン、これスコアブックなんだけど…」

栞は俊に見せると副キャプテンを呼んだ。

俊 「淳基ー、来てくれ」

淳基 「おう」


キャプテンてなぜか坂本くんを呼ぶんだよね、どうしてなんだろう…

かといって坂本くんが意見を言う訳ではなく聞いているだけ…

試合中はよく声は出ているけど、普段は大人しい


俊 「栞マネ、以上?」

栞 「あっ、うん」

俊 「じゃあ、琴菜を手伝ってきて」

栞 「はい」

栞は体育館にいる琴菜の所へ向かった。


淳基 「俊、久しぶりに飯食いに行かね?」

俊 「いいよ」


〇部室

俊は琴菜に淳基と飯食いに行くから先に帰っててくれとLINEを入れた。

すぐに“はーい“と返事が来て、部室を最後に出ると鍵を閉めて俊と淳基はラーメン屋に向かった。


〇ラーメン屋

席に着くと琴菜から家に着いたとLINEが入ってきた。


俊 「よし、無事帰った」
淳基 「琴菜マネ?」

俊 「あぁ、帰ったらLINE入れるように言ってあった」
淳基 「心配?」

俊 「そりゃそうだよ、俺がマネージャーに誘ったしな、夜道は危ない」


淳基はカバンからスコアブックを出した。

淳基 「これ、借りてきた」

俊 「スコアブックはありがたいよな」

淳基 「まあな」

2人は今日の練習試合についてラーメンを食べながら話した。


淳基 「あとさ…」


淳基は水飲み場での後輩の会話と琴菜が泣いてるように見えた事を俊に告げた。

淳基 「栞マネは本当にサッカーが好きだし熱心なのはわかるけど、先にいた琴菜マネの立場が…」

俊 「わかるけど…琴菜にはそこは求めてないんだよな、俺は」

淳基 「じゃあマネージャーとは?って事になってくるぜ、部員が2人を比べ始めてるって事が重要なわけで……俊がただ彼女と居たいからとか言われるぜ、あとさ、栞マネと話すのに俺を呼ぶのはどうして?」

俊 「それは、淳基がゲームを組み立てるからだよ」

淳基 「栞マネと2人にならない為かと思ったわ」

俊 「それは別に考えてなかった…俺、クラスの女子とかとも普通に仲良く話すし、琴菜も何も言わねぇしな」

淳基 「話してる内容はサッカーの事とは周りはわかんないだろ?」

俊 「うーん、でも毎日キスしてるしエッチだって結構…」

俊は指を折り数え出した。


淳基 「そこまで聞いてない!はぁ、全く」


淳基は呆れたように肘をテーブルにつく。


俊 「やっぱり淳基がキャプテンが良かったんじゃねえの?」

淳基 「いや、俊だからみんなついていくんだよ、俺はお前の暴走を止めるだけだ、まあまだ今日の事だから琴菜マネもどう思ってるかわかんないけど、気をつけてろよって事が言いたかったんだよ」

俊 「わかった、サンキュー…琴菜はさ、不器用だけど一生懸命なんだよ、あと部内の雰囲気の為にマネージャーを頼んだ、淳基ならわかってくれるだろ?俺が一緒にいたいのも間違いではないんだけどな」

淳基 「……わからんでもない」

はぁと淳基はため息をついたが様子を見るかとラーメン屋を出て2人は帰ったのだった。