〇次の日の朝、教室
琴菜と真希が休み時間に話している所に栞がやって来た。
栞 「塚本さん、あたしマネージャーやってもいいよ」
琴菜の顔がぱぁっと笑顔になった。
琴菜 「本当?嬉しい〜、俊に言ってくるね」
席を立つと琴菜は俊の所に走って行った。
栞は真希に話しかける。
栞 「ねぇ、あの二人って付き合ってるんだよね?」
真希 「そうよ、幼なじみなんだって、ラブラブみたいよ」
栞 「そうなんだ…」
ラブラブね…
栞は少し顔を曇らせた。
〇放課後、グランド
部活始まりに俊は栞を部員に紹介した。
栞は早速俊に話しかける。
栞 「前の学校ではね、練習の手伝いとかメニューも考えたりしていたのよ、タイム測ったり、ボール出しもするから手伝わせて、昨日見ていたら初心者の1年もいるみたいだったし…キャプテンの負担が大きいと思ったの」
俊 「確かに助かるけど…」
少し考えていると
俊 「淳基(じゅんき)、ちょい来て」
副キャプテンの坂本淳基(さかもとじゅんき)が走ってくる。
淳基 「何?」
俊 「御崎さんが練習を手伝えるらしいから初心者の練習メニューを一緒に考えてやって」
栞は自分のノートを既に持ってきていた。
淳基 「じゃあ、テントに行こうか」
2人はテントに入ると俊がテントにいた琴菜を呼んだ。
俊 「琴菜ー」
琴菜 「はーい」
俊 「御崎さんの入部届けを顧問の先生からもらってきて」
琴菜 「あっ、はーい」
琴菜は小走りで校舎に走って行った。
入部届けをもらってきた琴菜は栞に渡す。
栞 「ありがとう」
琴菜 「何書いてるの?」
栞 「あたしね、前の学校で練習メニューとか考えてたの、ボール出しとかの手伝いとかもしていて…」
琴菜 「へぇ、すごーい」
栞 「キャプテンとかに相談したんだけど練習入っちゃって…ちょっと考えて見ようかなって、あっ、何かする事あったら言ってね」
琴菜 「私、サッカーの事はあまりわからないの、凄いね、頼りになるよ」
栞 「塚本さんはいつもの事をしてくれたら、あっ、もちろん手伝うよ」
琴菜 「うん!琴菜でいいよ、栞ちゃん(笑)」
栞 「じゃあ、琴菜ちゃん(笑)」
琴菜 「これからよろしくね」
琴菜は嬉しそうな笑顔になった。
〇公園
部活が終わり、俊と琴菜はマンションの公園のベンチに座った。
昔からの公園…部活が終わる頃には誰もいない。
大抵は帰りに少し公園で学校の事や部活の事を話してから家に帰るのが恒例だ。
琴菜 「栞ちゃんが入ってくれて良かった、サッカーも詳しそうだし」
俊 「まあ、琴菜の負担が減るならいいけどな…ん、キス頂戴」
琴菜は俊の懐に入り下から俊にキスをした。
俊は琴菜の顎を下から持ち上げ密着させた。
琴菜 「…んっ」
俊の上からのキスはいつも激しい…
ぷはっと琴菜は呼吸を整えた。
俊 「明後日、夜勤」
琴菜 「起こしには行くけど明日の夜は出来ないからね」
俊 「えー、早くない?」
琴菜 「仕方ないでしょ、月のものは」
俊 「ちぇっ」
琴菜 「舌打ちしない!」
俊 「悪い…琴菜がしんどいのに、ごめんな」
俊は強引だけど優しくて言った事を反省して頬を触ってくれ、2人は家に帰って行った。
〇次の日の部活グランド
栞 「キャプテン、練習メニューを考えてきたの、見てくれる?」
俊 「ああ、休憩の時に淳基と見るからその時に持ってきて」
栞 「はい」
テントでみんなの練習を見ながら色々メモを取っている栞
琴菜 「栞ちゃん、あと15分で休憩に入るよー」
栞 「うん」
琴菜は栞のノートを覗いて見た。
琴菜 「もう1年生の名前覚えたの?」
栞 「初心者だけね、キャプテンが教えると自分の練習とか出来ないでしょ」
琴菜 「凄いね、そんな事まで考えれて」
琴菜は感心していた。
栞 「前の学校は人数が多かったからレギュラーじゃない人が初心者を教えたりしてたの、琴菜ちゃんがしている仕事は1年生がやってたのよ」
琴菜 「部員が多いとやり方も違うねー」
タイマーがなり栞は笛を吹いて
栞 「休憩でーす」
と叫んだ。
栞 「キャプテンと話してくるから今日はあたしがタオルとドリンク持っていくね」
琴菜 「あっ、…うん、お願い」
既に琴菜が持っていた俊のものを栞に渡して琴菜はドリンクを作りに行った。



