〇俊の部屋
年も明け、俊達は3年生に進級していた。
そして6月で部活動の引退となる。
冬の高校サッカーは進学校の為全員県大会で引退となったのだった。
琴菜 「えっ、俊……今なんて…」
俊 「寂しいけど、暫く琴菜と離れる」
琴菜 「何で?」
琴菜は泣きそうになり目がうるうるしてきた。
俊 「あ〜、その顔、また抱かせろよ」
俊が抱きついて身体にキスを這わせる。
琴菜 「ちょっと、ちゃんと話して」
俊はキスを止めてくれた。
俊 「別れるんじゃないよ、離れるって言ってるだろ?」
琴菜 「だから話して」
俊 「俺の行きたい専門学校は父さんの単身赴任先の方が近いらしいんだ」
琴菜 「でも通うって言ってたじゃない」
俊 「そのつもりだったけど、この前父さんが帰ってきて電車代とか駅からの距離とか、諸々の金額を計算してみたんだよ、それで父さんの家から通った方が時間もお金も安いって事になったんだ」
琴菜 「えー、寂しい」
俊 「週末は帰ってくるよ、実習とかがなければ」
琴菜 「でも…」
俊 「大丈夫だって、俺は琴菜以外好きにならないから、琴菜との為に専門学校に行くんだからな」
琴菜 「俊はモテるもん」
琴菜は拗ねた。
俊 「まあ抱く回数は減るよな」
琴菜 「それだけで俊と付き合ってるわけじゃないもん、本当に好きだからだもん」
俊 「俺もだよ…チュッ」
この後、俊にまた抱かれたが琴菜は集中出来なかった。
〇教室
琴菜 「はぁ…」
真希 「ため息が大きいな、どうした」
琴菜 「卒業したら俊と離れるんだー」
真希 「ふーん」
肘をついていた琴菜は真希の肩を揺らした。
琴菜 「それだけ?」
真希 「ずっと一緒なんて卒業してすぐ結婚とかじゃないと無理でしょ」
栞 「キャプテンは専門学校よね?」
栞が席にやってきた。
琴菜 「栞ちゃん…そうなんだけど、お父さんが単身赴任なのね、そっちから通った方が近いんだって、お金の面とかでも」
真希 「お金を出されると子供は何も言えないよねー」
琴菜 「うん…」
真希 「逆に河田が女子と話すとこを見ないから琴菜のヤキモチはおさまるんじゃない?」
琴菜 「う〜、見えないって不安もあるからー、毎日電話とかくれるかな」
栞 「重いよ(笑)」
琴菜 「栞ちゃんは不安はない?」
栞 「あたしの専門学校は淳基くんの大学の近くだから受かれば会えるかな」
琴菜 「そっかー、いいな」
真希 「それでダメになるような仲じゃないでしょ、結婚したいなら前向きにだよ」
琴菜 「うん…」
琴菜は教室での俊を見ていた。
いつも友達に囲まれて過ごしてる俊
もちろん女子もいるけど彼女がいるからって関係なくあの中にもきっと俊の事を好きな人がいるかも知れないんだよね
告白しない選択をする人もいるだろうし、なんなら私と別れないかなとか思っている人だっているかもしれないんだ…
琴菜の不安は頭にありつつも卒業式を迎えた。
式が終わると教室で先生からの言葉と親に御礼の手紙を渡した。
解散になるとクラスの皆で写真を撮り、真希とは分かれてそれぞれの部活へ
〇グランド
サッカー部の後輩から大きな花束を渡され、10人の3年生は写真を撮った。
後輩がサッカーボールを出してきて制服のままパスを繋ぐ。
琴菜 「門で待ってるからね」
琴菜と栞は校門前で待つことに…
〇校門前
栞 「琴菜ちゃん、サッカー部に誘ってくれてありがとうね、入部して良かった(笑)」
琴菜 「栞ちゃん、こちらこそありがとうだよ、たの…たの…ぐずっ…楽しかったー、わぁーん」
琴菜は栞に抱きついた。
栞 「琴菜ちゃん、泣きすぎだよ(笑)彼氏達ほっておいてまた遊ぼうね」
琴菜はうんうんと頷いた。
琴菜 「栞ちゃんはこの後どうするの?」
栞 「あたしの家でしばらく会うかな、淳基くんのお母さんが来てるらしくて夜は家族で食事するからそれまでは一緒にいてくれる、だから昼はあたしンちで食べるかなぁ」
栞は家族にも淳基を紹介していて気に入られているらしい。
栞 「琴菜ちゃんは?」
琴菜 「うちも夜は俊の家に集まって食事かなぁ」
栞 「あと1ヶ月でそれぞれの道だね」
琴菜 「うん、きっとずっと私はヤキモチ妬くんだろうなって…もし将来、結婚して子供できても子供にヤキモチを妬くと思う(笑)」
栞 「琴菜ちゃんらしいよ(笑)あっ、来たよ」
俊 「お待たせ」
琴菜 「先に写真撮ってあげるよ、2人とも門の前に」
琴菜は栞と淳基の写真を撮り、栞が琴菜と俊の写真を撮ってくれて門で2組のカップルは左右の道をそれぞれ歩いて行った。



