好きだと言ってくれるのに…ヤキモチ妬いちゃう《高校生ヒロインマンガシナリオ大賞用》


〇俊の部屋

冬休みに入っていた。

琴菜は俊のベッドの上で朝を迎えていた。

俊 「琴菜〜もっと引っ付いて、寒い」

琴菜 「引っ付いてるじゃん、エアコンの温度あげる?」

俊 「人肌がいい」



俊は甘えモードに入っていた。

こんな俊は私しか知らない…

学校ではいつも明るくみんなの人気者の俊は私の前でだけ感情をあらわにする。

朝方まで抱き合いそのまま寝る私達はいつも裸で目覚める。

琴菜 「時間までね、もう少しだよ」

と俊の頭を両手でギュッと抱きしめた。


〇キッチン

琴菜 「クリスマスどうする?」

俊 「クリパ?」

琴菜 「いや、2人の方」

俊 「あー、欲しいものある?」

琴菜 「考えとくー」



〇部活終わりの淳基と栞

栞 「琴菜ちゃんから聞いた、クリパするんだってね」

淳基 「ああ、するな」

栞 「この辺りおもしろショップとかないの?」

淳基 「俺の家から電車ですぐの所にあるよ」

栞 「行きたい、ねえ、連れて行って」

淳基 「いいけど、いつ?」

栞 「明日とか?」

淳基はしばらく考えていた。


淳基 「明後日じゃダメかな、明日はちょっと用事がある」

栞 「いいよ」


2人は栞の家でわかれた。


〇ショッピング当日の部活終わり

栞は家に入り着替えを済ませて玄関から出てきた。

栞 「お待たせ」

栞の声を聞くと淳基は見ていたスマホをポケットにしまい

淳基 「ん、行こうか」


淳基と栞は歩いて淳基の家に向かった。


〇淳基の家

栞は街中のオシャレなマンションを見上げていた。

淳基 「どうぞ」

リビングに通されると着替えてくるから待っててと言われた。

淳基くんはオシャレな黒のパンツにニットのセーターにロングコートを手に持っていた。

坂本くんて何気にスタイルいいんだよね

栞 「オシャレなマンションだね」

淳基 「昔は一軒家だったんだけど親が離婚して家を売ったんだよ、俺は今は親父と暮らしている、出張でほとんどいないけどね」

栞 「あたし、坂本くんの事何も知らないね、いつも自分ばっかり喋ってるんだね」

2人は玄関で靴を履く。

淳基 「そんなつもりはないし、隠してる訳じゃないよ」

栞 「じゃあ少し自分の事を話してよ」


〇マンションから歩いて最寄り駅に向かう


淳基 「えーと、妹がいる、妹は母さんと祖父母と県外に住んでるんだ、母親も父親も仕事人間で、すれ違っていて、小さかった妹は母の実家で暮らす事になって離婚、俺は大学受験を考えて父親と暮らす選択をした…それくらいかな〜」

栞 「兄妹でわかれたんだね」

淳基 「でも仲が悪い訳じゃなくて仕事を取ったってだけだから年末年始は母親の実家に集まるよ、家族で旅行も行くし、会えないから結婚に縛られないように恋愛もしてもいいみたいに親は言ってたけど…親の考えは今でもわかんねーんだよな」

栞 「円満離婚なんだね、仲が悪くないのに離婚てどう思った?あたしの所はケンカばっかりしてたから離婚したけど」

淳基 「…2人が出した結果なら仕方ないかなって」

栞 「冷静」

淳基 「うーん、実際父親は出張だらけだし、仕事始めた母親は明るくなったしお互いがいいんならまあって感じかな」



〇店に到着

栞 「わー、テンション上がる〜」

淳基 「俺は別のもの見ていい?」

時計を見た。

淳基 「1時間後にここで、用事あったら連絡してきて」

栞 「わかった」


1時間過ぎて2人は合流した。

淳基 「ご飯作るけど食べて帰る?」

栞 「いいの?」


〇淳基のマンション


淳基 「適当に座ってて」

栞 「えー、見たい(笑)」

淳基 「恥ずかしい」

栞 「お父さんが帰ってくるの?」

淳基 「そう、夜の10時頃かな…」

栞 「昨日、もしかして塾とか?」

淳基 「まあ、今日父親が帰るから昨日は塾を優先させてもらった」

栞 「ううん、ダメならちゃんと言ってくれた方がいい、ちゃんと進路の事考えてて凄いね、あたし期末テスト赤点取っちゃった」

淳基 「えっ、言ってくれたら教えたのに、補習は?」

栞 「次取ったらだって、今回はセーフ」


料理を作りながら話も出来る淳基は器用なのだ。

淳基 「部活に出れなくなるから赤点はやめようよ、冬休み俺が教えるから」

栞 「…お願いします、数学はあと1問で…」

淳基 「他は?」

栞 「英語」

軽く淳基はため息をついた。

淳基 「明日から部活終わったら勉強ね」

栞 「どこで?」

淳基 「栞マネの家」

栞 「えー、うち?」

淳基 「座るスペースがあればいいから(笑)」

栞 「なんか、読まれてる?」

淳基 「別に(笑)俺ん家でもいいけど歩かなきゃいけないだろ?効率考えてみて?」

栞 「うっ、わかった、頑張ります、おバカな彼女は特進クラスの人には合わないよね、まあ彼女じゃないけど、隣を歩いて申し訳ない」

淳基 「それは…いや…ごめん、上から言った」


それから淳基くんは黙ってしまった…


料理が出来上がり食べることに…


栞 「美味しい〜」
淳基 「良かった…」

淳基は食べ終わるとお箸を置いて話し出した。



淳基 「このさい言っておくけど…頭がどうこうとか関係なく、栞マネとは付き合いたいと思っている」

栞もお箸を置いた。

淳基 「でも元カレと別れた時にそれにつけこんでみたいに思われるのも嫌だったし、栞マネの気持ちが整理できてなかったらとか色々考えて、何も言えてなかった、栞マネはどう思ってる?」

淳基は一気に話して深呼吸をした。

栞 「あの…可愛い…」

淳基 「え?」

栞 「だから、可愛いんだよね」

淳基 「俺、男だし…」

淳基は拗ねた。

栞 「あたしこそ、別れたばかりですぐ坂本くんと付き合って軽い女だと思われるの嫌だったの!」

淳基 「それはOKて事?」

栞はスマホの待受を見せた。

それは打ち上げの時の寝ている淳基の寝顔だった。

栞 「可愛いでしょ」

淳基 「な、何で撮って…」

栞 「あたししか持ってないから、バラまいたりしないし」


淳基は立ち上がり栞のスマホを取り上げようと近づいた。

栞 「チュッ」

栞の口唇が淳基の口唇へ…

淳基 「…っ、びっくりした」

真っ赤になり腕で自分の顔を隠した。

栞 「付き合ってください」

淳基は驚きながらも手を頬に当てて

淳基 「お願いします…チュッ」

と優しいキスをした。