期限の無い約束


「具合悪いんでしょ?ほら、手。行くよ。」
あぁ、介抱してくれる的な手か!
私が勝手にドキドキしてるだけで、あっちからしたら何ともないよね。
「あ、ありがとう、ございます?」
「何で急に敬語?」

「だよね、ありがとう。」
手が心臓になったみたい。本当に酔ってるのか緊張してるのか、とにかく顔が熱い。

コンビニまで無言で、ヒールを履いている私のペースに合わせて歩いてくれた。
着くと、「ここから絶対に動かない!」とイートインスペースに座らせてくれて、胃薬とポカリを買って来てくれた。なんでも、酔った時には水やお茶よりもポカリが1番なんだそう。知らなかったよ。

「そういえば、具合悪いのに、女性一人でこんな時間にどこに寄ろうとしてたの?」

「あー。コンビニで胃薬と飲み物買って、海の方回って酔い覚ましてから帰ろうかと。。。」

「それ、普通に危ないだろ。アメリカだと、暴漢に襲われるか、最悪殺されるけど。」

「やっぱ、そうだよね。
まぁ、日本だから生きては帰れると思うけどさ。結婚式の時に、颯ちゃんと花梨の後ろに見えた月が綺麗だったし、明日帰るからもう一回海行きたいなって思っさ。」
昼間行った時に、小さいりょうちゃんの事思い出して、結婚式で本物に会って。
なんか、また砂浜歩きたくなったんだよね。