期限の無い約束

「じゃ、乗せてってもらうか。」
母達に見守られながら、晴れて夫婦になった俺達。まだ実感は湧かないけど、親よりも長くの時間を共に過ごして行く大好きな人。自分達なりのペースでたくさんの愛情を注いでくれた両親達のような夫婦になりたい。

この日母達が思いつきで買いに行ったと思っていたケーキは、前からオーダーしていたらしく、渚が大好きなモンブランのホールケーキに"りょうくん・なぎさちゃん 結婚おめでとう"という昔の俺達の写真プレートまで付いていて渚は号泣。母達も泣きながら笑っていた。

最後は親達に仕切られる形になったが、大好きな渚がこれからずっと隣にいてくれるそんな夢のような生活がスタートするんだ。

翌日の帰り道。隣でうとうとする渚に聞いてみる。
「奥さん、いつになったら一緒に住めるの?」

「来週の三連休ですよ、旦那さん。」

「え?マジで??」

「ちょっと、前見てよ!」

「マジかよ。」

「引越し業者も手配済みだよーん。」