期限の無い約束

「ねぇねぇ、今日はどこ行くの?」

「よく知ってるとこ。すぐわかると思うけどね。」

「何時間?」

「1時間ぐらいかな。何で?」

「名探偵Kの映画ダウンロードしてきたからさ。1時間じゃ、犯人まで行けないじゃん。」

「名探偵Kまだ見てんの?」

「何回見ても良いんだって!セリフも良いし、歌もいいし、次の春も絶対映画観に行かないと!」

「俺は、パスな。」

「映画は1人で行く派だから、誘ってません。とりあえず、再生しまーす。」
まじで、1人で見始めたよ。
こっちだけ、妙に緊張してるってのにお気楽だな。
ま、でも自然体って事にしておこう。

「なぁ、お菓子溢すなよ。」

「溢さないって、子供じゃないんだから!って、あっ。セーフ?」

「言ってるそばから…微妙なアウト。」
神経質なやつだとか、今のはセーフだとか聞かなかった事にしよう。
何で緊張してたんだ?ってぐらい渚のペースに飲まれて、もうどうでも良くなってきた。

「なんだ!!もしかして、地元まで帰ってきた?なんだ〜よく知ってるとこって、地元?どっかに、遊びに行くつもりでいたのにー!」